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僕の性日記Ⅱ  作者: 水野 流
Ⅰ章 まどかのお母さん
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終業式の日


1学期の終業式の後、教室に戻ってウチのクラスの先生の注意事項伝達が終わると、僕は隣のクラスに行った。2組もすでに解散になっており、山中先生だけが、僕を待っていてくれた。


明日から夏休みということで、夏休み中の宿題やら、まどかが机に残していた教科書やらを持って帰らなければならず、結構な荷物があった。


山中先生は、僕に悪そうに「本当に、お願いしていいの……?」と聞いてきた。


そして「もし、なんだったら、先生が後で車で持って行くけど……」と言ってくれたので、すでに、まどかの家に行く口実が必要なくなっていた僕は、昨日の食い下がりをあっさり撤回し、「そうですか?それじゃ、やっぱり、先生にお願いします」と言った。先生は苦笑いをした。


まどかの家には、夜暗くなってから、人目を忍んで泊りに行くつもりだったので、自分とまどかの重い荷物を下げてまで、それを理由におばさんに会いに行く必要はすでになくなっていた。



さて、まどかの家に一泊するための口実だが、それは、すでに昨日考えていた。


実は、去年の夏休みの初日もそうだったのだが、僕たちは、一学期の打ち上げと称して、5、6人の仲良しが家具屋の息子である山田君の家に泊りに行って、一晩遊ぶというのがお決まりになっていた。


山田君の家は、家具屋と言うことで、家具を作るための今は使わなくなっている離れの作業場があり、去年もそこに、みんながボードゲームやエロ本を持ち込んで遊んだのだ。


今年も、一学期の最終日には、そこにみんなで泊りに行こうという話になっていた。


僕も、早くからその話を母にして、宿泊の了解を取っていた。

だから、母には「山田君 に泊りに行く」と言って、実はまどかの家に泊まろうと考えたのだ。


まるで、神様が準備してくれたような、都合の良い言い訳だった。


すでに、山田君には、その日「急に用事が出来て、夜、家に帰らないといけなくなった」と嘘をついていた。



部活を終えて、家に帰ると、早めに夕食と風呂を済ませ、スポーツバッグに着替えを詰め込んで、僕は「行ってきまーす」と、意気揚々に家を出た。


家を出る時、心配性の母が、後ろで「迷惑かけたらいけんよ」と叫んでいた。


アリバイをより確実にするために、とりあえず僕は、山田君の家に向かった。行く前に、おばさんに、僕の作戦を伝えようと思ったが、ちょうどその時は、外に山中先生の車が止まっていたので、寄るのをやめた。



山田君の家に行くと、すでに気の早い奴らが2、3人集まっていた。そして、そいつらが、ドスケベの内田を中心にして「ワイワイ」言いながらかたまっていた。

僕が来たことに気付いた山田君が「あれ?お前、『今日泊まれん』って言いよったんじゃないん?」と聞いてきた。


「うん、夜は泊まれんけど、8時くらいまではおれるけん」と答えた。


「みんな、なんしよるん?」僕が訊ねると、内田が僕の方に振り返り、「おう、ケンジ、ええところに来たわ。これ見てみ」とみんなが見ていた一枚の写真を僕に手渡した。



その写真は、白黒写真ではあったが、裸の女性と男性の下半身が写っており、結合しているところが黒塗りされず、バッチリ鮮明に写っている、いわゆる『裏写真』だった。



「セックスって、こんなんやぞ……エグイやろ?」と得意そうに内田が言ってきた。


確かに、エグイ写真だった。


「ああぁ、セックスやりてぇな~」

写真を見ていた木村君が言った

「まどかとか無理かな?あいつなら最高なんだけどな……」


「まどか……?あいつなら、いけるかも……? あいつ、小学校の時、頼んだら、オッパイ見せてくれたもん」内田が木村君の言葉に反応した。


「えぇ……?それって本当か?」

「俺、まどかがいい……」みんなが盛り上がった。


僕は、みんながまどかを性の対象にしていることに腹が立ち「こんな写真、どこで手に入れたんや?」とその写真を少々不機嫌に内田に突き返した。


「それは、言えませーん」内田が、嬉しそうに言った。



そんな、思春期の男子たちのバカな会話や遊びをしながら、来る予定だった奴らが全員揃った頃には、時間は夜の8時近くになっていた。



僕は、みんなに「もう帰らないけん」と言って、その場を離れて、まどかの家へ行くことにした。


帰る時、みんなが「えー、泊って行ったらええのに……」と残念そうに言っていた。

『これから、僕はみんながあこがれるエグイセックスをしに、まどかの家に行くんだ。お前たちのバカな遊びに付き合ってられるか……』と思いながら、はやる気持ちを抑えつつ僕はその場を離れた。



予定よりも遅くなったと思いながら、辺りに人のいないことを確認して、僕は、まどかの家の玄関の呼び鈴のボタンを押した。


少し待つと、玄関の明かりがつき、中から「ケンジ君……?」という、おばさんの声が聞こえた。


僕の胸が高鳴った。



「どうしたの……?もう来ないのかと思ってた」

「ちょっと、泊るためのアリバイ作りに手間取って……」


アリバイ作りに手間取ったのではなく、ただ単にエロ写真を見るのに時間を取られただけだった。

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