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第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

頑固ジジィは闇サーファー

作者: 文学壮女

勝手に“闇サーファー”なる言葉を作ってみました。

楽しんでいただけると嬉しいです。

俺の住む町には海がない。

海に行こうなんて言おうものなら不良扱いだ。

―海への憧れ、嫉妬。


バカバカしいが世界の狭さをしみじみと感じさせられる。



「あっちぃ…。」

補習を終えた俺たちは、駄菓子屋で買い食いしながらダラダラ喋っていた。

空には雲一つなく日差しがギラギラと照りつけている。

「この青さ、ますます暑いよな…。」

思わずみんなでため息をついてしまう。


「…海の青ってどんなんだろうな?」

俺はつい言葉にしてしまってすぐに『しまった』と思う。

本当にくだらないが海の話はご法度なのだ。


「なんでもな…。」

「別にいいだろ、くだらねぇ。」

シャツの胸元をパタパタと動かしながらナツキが言う。

「海の話はするな、なんて、町から出る手段のなかった大昔の人たちが決めたことじゃん。」

それを聞いてヒロトが嬉しそうに続ける。

「だよなー!今は電車だってあるし。」

「言わないだけでみんな行ってるぜー。」

ナオキも楽しそうに笑う。

その時、笑っている俺たちを見てナツキがニヤリと笑った。


あぁ、コイツがこうやって笑う時は、スッゲェめんどくさくてとびきり楽しいことを思いついた時なんだ。




次の土曜日、俺たちは()()()()()があると言って電車に乗った。

行き先はもちろん…。



「…ヤベェな。」

「広いな…。」

「これが…。」

「海か!」


テレビや雑誌で見たことはあったがやっぱり本物は凄い!


俺たちは飛び込みたくなるのを我慢して砂浜を歩いた。

あくまでも()()()()()()()んだ。


「あれ…。」

その時、ヒロトが海の方を指さした。

遠くに大きな波が見える。


「人だ。」


その人影は波を鮮やかに乗りこなし、体の一部のようにボードを操っている。

その美しい姿に俺たちはすっかり心を奪われた。


波乗りを終えた人影が近付いてくるのを見て、俺たちはつい隠れてしまう。

その人影は…


(じいちゃん?!)


こちらに全く気付かず去ってしまったが、あれはじいちゃんだ。

混乱している俺を尻目にみんなはかなり興奮している。


「すげぇな!」

「あれがサーフィンか!」

「かっこよかったなぁ、ユウタ!」

「あ、あぁ…。」

なんとかその場はやり過ごしたが、俺の頭からはあの美しい姿が離れなかった。




「じいちゃん、お願いがあるんだ。」

帰宅後、勇気を出して気持ちを伝えた俺にじいちゃんは一言こう言った。


「…お前、口は硬いか?」


こうして俺は立派な“闇サーファー”になるべく、こっそりサーフィンを楽しむじいちゃんに弟子入りしたのだった。

勢いで書いたので細かいところは全く浮かびません…。

読んでいただきありがとうございました。

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