衝動
俺は3人の服を引き、思いっきり顔を殴る。
「てめぇ、客になに手ェ出してんだ!」
「あんたらはもう客じゃない。食べ物を無駄にした罰だ。」
一発頬にグーパンチを入れられたが
俺は3人を1人で殴り飛ばしていると、警察がやってきた。
警察「はいはい、何やってんの!?」
コン「こいつらが先に手出したんです。俺の頭に食べ物がたくさんついてるでしょ?」
警察「食べ物を粗末にされたくらいでそんな殴り合いするなよ!」
コン「は?何言ってるんですか?」
「おい!コン助!」
師匠が俺をビンタする。
師匠「警察には世話になるなってあれだけ言ってるだろ。」
コン「だって、師匠がせっかく作ってくれたステーキセット台無しにしたんです。罰を受けて当然だと思います。」
男3人はのびきってる。
師匠「…まぁそう思ってくれるのは、ありがたいがこんな店の前でやったら客が寄り付かなくなるだろ?あーあ、大切な手が血で汚れてる。」
師匠が持っていたタオルで俺の頭と手を拭いてくれる。
警察「あの、これは傷害事件です。署に連れて行きます。」
師匠「いやこいつらは営業妨害していた。店にいた客が証言してくれる。それにこいつは正当防衛だ。頬に殴られた跡があるのが見えないのか?」
警察「…わかりました。とりあえず中に」
師匠「いや中には来るな。客がまだ食べている。雰囲気を壊すな。」
警察「あなたね、いいかんげんにしてください!」
師匠「いい加減にするのはそいつらだ!食い物をなんだと思ってる!金稼ぎでこっちは仕事してるんじゃないんだ!空腹を満たすために毎日店を開いてるんだ!」
「あいつら、営業妨害してました!」
「シェフの言う通りです!」
「そいつら逮捕してください!」
「コンちゃんは悪くないです!」
店のお客様が扉からあふれんばかり出てきて、俺の無罪を証言する。
師匠「早くそいつらをこの店から遠ざけろ。食べ物を粗末にする奴は客じゃない。」
警察「…ったく。いつまで迷惑かけんだ。クソオヤジ。この若造の躾をしないと次はないからな。」
警察はイライラしながら3人を拘束して車に乗せていった。
師匠「ハァ…。」
コン「すみません。」
師匠「俺のことを思ってくれるのはとても嬉しいがこう毎回イラついていたら俺の心臓が持たない。」
コン「抑えたんです。けど、食べ物を無駄にされたとき糸が切れてしまって…。」
師匠「お前の手は人を殴るためのものじゃないだろう?美味しい料理を作るためにあるんだ。自分自身が自分のことを大切にしないとダメだろう。」
コン「はい…。」
師匠「とりあえず風呂に入って頭洗ってこい。タオルじゃ取り切れなかった。すまんな。」
ポンポンと俺の背中を叩き師匠は店に入ってお客様にお詫びのスイーツを作り始めた。
すみません、師匠。
でもやっぱり食べ物を無駄にする奴は許せないんです。
今もこれからも食べ物を無駄にする人は罰を受けるべきだと思うんです。
でも拳は使わないようにします。
俺は心の中のモヤモヤがこのシャワーで落ちるように願ったがしつこい油よごれのようで全く取れなかった。