七、 火は木・金(光)に強く、水は火・土(闇)に強く、木は水・金(光)に強く、金(光)は土(闇)・水に強く、土(闇)は木・火に強い
定番の風呂回
少しくだけた話となってます
下ネタ回。まあR-18要素までは行かないと思うけど、苦手な人はこの七話は、最初の属性話のどころだけでそこで止めておいて下さい。
キャニモンターニュという小さな村。
宿が一つしかない程小さな村。私達は唯一の宿に泊まることにした。
ほぼ貸切だったけど、何とか部屋を確保した。ただ、二つ取ろうと思ったのに一つしか取れなかった。
今日は私達の他に大きな団体が泊まるようだ。その団体が私達以外の部屋を独占していた。
◆
「属性なんて分からなくても何とかなるっすよ」
カルトは笑いながら話す。絶対に自分が分からないだけだろう。
「はあ、覚えてないのか?」
「絶対覚えてないよね」
「僕でも属性について分かるよ」
ギグリ───
そんな効果音が聞こえた。
カルトはカイルに教えを乞う。
「まあ暗記だと難しいから表で覚えておくといい」
「なるほど表ねぇ……」
カイルの属性説明が始まった。
「基本属性は星型の表で確認するんだ。
まずは《一筆書きで星型の図》を書く。書いたら左、上、右、斜め右下、斜め左下の五つが突起が出来る。
その突起を隣合う部分同士を繋いでいき《五角形》を作るんだ!!」
「書いたっすよ!」
「そしたら、左の角に火、上は水、右は木、右下は土(闇)、左下は金(光)を書く。これで一先ず表の完成だ!」
「ここからは?」
「内部の星型を時計回りに見て進む方向にある属性は得意属性。逆に反対に進む方向にある属性は不利属性だ。
時計回りに矢印を書けば分かりやすくなるぞ!
例えば、火なら時計回りに進むと真横に進み次の木に移動する。この場合、火は木に強く、逆に木は火に弱い。」
「星型に矢印を書いていけばわかりやすいっすね。」
「そうだな」
「それじゃあ、外側の五角形は何っすか?」
「外側の五角形は反時計回りに見るんだ。反時計回りに矢印を書いていくといい。
見方は星型の時と同じで進む方向にあるものが得意属性で、その逆が不利属性だ。
後は月と日は相互に得意属性であり不利属性である。
分かったか?」
「ばっちりっす!」
◆
「隊長、あそこか?宿は────」
「そうですよ。ゲイルさん」
薄暗い中、キャニモンターニュの村へと辿り着いた勇者達。
髭を生やしたまさにおっさん風の男と、隊長と呼ばれる眼鏡をかけた真面目そうな男性が先頭をきる。
そして、行動も素早かった。
「早速、風呂にでも入りましょうか……」
「ああ、疲れてグッタグッタだもんな」
勇者らは大きな露天風呂へと向かった。
そして、、、
男風呂にて……
「ゲイルさん、何してるんですか?」
何故か不審な行動をするゲイル。
ゲイルは男風呂と女風呂とを隔てる壁に対して何かを行っている。
「まさか覗こうってことは───」
「すげぇじゃねぇか、行動を読むなんて!」
「覗くんですかっ!!!」
「もちろん」
ゲイルは何処からか持ち出した道具を駆使し、壁をよじ登っていった。腕と足を広げて壁をよじ登っていく。
◆
例の団体客がきたのだろうか外が騒がしい。
「団体客の邪魔にならないように先に風呂を済ましてしまおう」
私達は露天風呂に入ることにした。
そして今、私は風呂の中に浸かっている。
ゆったりと心を癒す────
一番怨んでいる勇者と出会したんだ。この間にその傷を癒さないと……
私は穏やかで心をホッとさせる湯の中に身を投じた。
熱湯の中でふと仲間の姿が頭の中に浮かぶ。
そういや仲間の男率が高すぎて女が私しかいないことにふと気付いた。紅一点ってこういうことかと身に染みた。
壁を隔てた場所にある男風呂はここと違ってとても賑やかて楽しそうだ。何故か羨ましいしいなと感じてしまう。魔王にも沢山の仲間を求めていいのかな───
長居は無用だ……
私は熱湯から身体を出した。
何故か壁の方に違和感を感じる……
よく見ると隔てた壁の上から見知らぬ男が私のことを覗いている。
え?────
何やってるんだろう?って私の裸を見……
見知らぬおじさんに裸を見られてる?
は?とても恥ずかしい。段々と顔が熱くなる。勿論、風呂のせいではない。
思わず私は悲鳴をあげてしまった!!
それを機に他の人の悲鳴も重なり鳴り響く。
その悲鳴によって落ちた男。
最悪──────ッ。
私は逃げるようにこここら退場した。長居は無用というより危険だ!
◆
「お兄ちゃん、何やってるの?」
日野は男風呂と女風呂を隔てる壁に向かってコソコソ何かをやっている。その上には男がいるがカルトはそれに気付いていない。
「静かにしろ!気付かれたら拙い」
カルトは口に人差し指を当て静かにしろ!という合図をした。
「全体的に裸を見られるけど、特に月華ちゃんの裸、気になっていたんだよな……」
カルトは壁に出来た隙間を潜って女風呂を覗く。
「太陽!絶対にカルトの真似はするなよ!」
カイルは日野に忠告する。
魔王達の仲間の中ではカルトだけ嫌らしいことをしている。
「ぐふっ、おお、うひょお、月華ちゃん裸丸見えっす」
小さな声を洩らしながら興奮するカルト……とその上にいる男。
露天風呂、男風呂女風呂関係なく全体的に悲鳴が響き渡った。最初の声の出し主は月華だ。
それに驚いて大きな音を出した男がカルトの上にいた。今までその男に気付いてなかったのに、カルトはそれによって気付いた。
カルトは思わず上を向く───────
股を開きながら落下していく男……
その男の股間についている--------がカルトの顔面に直撃した。
「何なんっすか?誰っすか?」
席をしながらカルトは呟いた。
「すまねぇ、怪我ねぇか?ってカルトじゃねぇかっ!!」
男はカルトを見て飛び跳ねたように驚いた。
「うわっ、ゲイルじゃん。ってかお前の-------がウチの顔に……。うわっ、考えるだけでウェェ」
カルトは異物を口から吐いた。
「丁度いい時に会ったな、カルト」
「出会い方は有り得ない程最悪っすけどね」
話し出す二人……
二人は知り合いのようだ。
「今サキュバスとリリスの殲滅作戦の任務で来てる。お前も来い」
カルトはその言葉を言われ黙り出した。
「すまないっす。ウチもう勇者辞めたっす!」
「はあ?何を言ってる」
「もうウチは勇者じゃないんで、、、そういうことで!!」
カルトは風呂へと向かった。
「お前、勇者だったのか?」と驚くカイル。
「もう過去のことっすよ!」
カルトは笑いながら返した。
◆
「ウチ、元勇者っすけど、仲間でいいっすよね?」
カルトは笑顔で聞いてきた。
「勿論よ───────」
私は仲間でいてくれるだけで有難い。多分、考えが甘いから言えるのだろう。
「僕もいいよーー」
日野も私に賛同した。
カイルは渋っていたが渋々賛同した。
「そういうこと。カルト……。」
「そうこなくっちゃっすね」
「さあ、明日は壱宮村に向かうから準備、怠わらないようにね」
「それと、サキュバスとリリスの殲滅作戦って何だろう──」
◆
「それじゃあ行くか────」
「サキュバスとリリスを滅ぼすために……」
隊長と呼ばれるケアンは太陽の登り出す朝日に向かって言った。
土瑠亜の仲間で元盗賊のゲイル、同じ仲間で僧侶のヌアゴス。
勇者先鋭メンバーのザーキ。
それに仕える幾名かの勇者達……
この勇者達は作戦のために動き出した。
「終わらすぞ────────」
適当かもしれない……
まあ、属性説明はしたかったし……




