四十六、 死闘!?白熱 枕投げ大会!!
このストーリーの他に「マトリョーシカ人間《俺》」という作品も作っています。
そちらの方もよろしくお願いします。(今日は同時更新)
そちらは王道ではないし、少し重めな作品で、異世界系ではないのでご注意を!!
何とか寝床だけは用意出来た。
反逆者達は魔王城には立て篭もらずに魔王城から北西に進むとカンポリジナルという村がある。そこで密かに暮らしているようだ。
そして、用がある時のみ魔王城へとやって来る。だからこそ、魔王城で暮らすのはまだキツイ。
森を切り開いて村を作る。鬼やドラゴンの元へと行く。王の出る機会を伺う。
これらを行うには魔王城で過ごす必要があり、最低限の生活が出来るようにはしなければならない。
反逆者の助けもありベッド……寝る所を用意することが出来た。
ただし、ゴーレムにのみ大きすぎるために寝床は用意出来ず、魔族として野で暮らしていたこともあり、城内の広間で寝ることとなった。取り敢えず、もしもの時の門番としての役割を持つ。
夕焼けも沈み、多くの反逆者は村へとワープしていく。
少数の反逆者はここに残るようだが。
寝る部屋は三つに分けられた。
部屋には未だベッドしか用意されてなく、少しもの寂しい。ただ、その分広々としている。
ベッドは二段ベッド式。二つ通路を挟んで置いてあり、計四名が寝れる。
進むと行き止まりの通路。行き止まりの奥が女子部屋、そして戻るように進んで二つの男子部屋がある。
一番手前の部屋は知識のある者が中心に集まった。
部屋に入って左側には上にムーバー、下に暗部。右側には上にカイル、下にモブキチ。の寝る場所となった。
四人は部屋の広々とした空間に移動し、城と村を作るための技術や計画を共有していた。
真面目な雰囲気が漂う───
ただ、妙に煩い。それは、隣の部屋からだった。
夜遅く、騒いでいる隣の部屋に苛立ちを覚えたカイルは立ち上がる。
「少し様子を見てくる────」
真ん中の部屋には残った男子が集まった。
部屋に入って左側の上にカルト、下に日野。右側の下にモブオ。上のベッドには誰のでもない。
ベッドにずっといるのが退屈なのか、それともこれは性なのか日野は楽しげに話す。
「枕投げ大会しようよ!!」
それにいち早く気付いたのはモブオだった。
「懐かしいな!それ!!中学校の修学旅行以来だ!!」
そして、ピンとこないカルト。そのカルトに枕投げとはどういうものかをモブオは説明した。
「何だか、楽しそうっすね。早速やりましょう!!」
三人は広々とした場所に枕を持ってきた。そして、枕投げが始まった。
一番奥の部屋は女子部屋だ。
入って左側の上はセイカ、下はリリス。右側の上は月華、下はモブミだった。
二段ベッドの上から逆さ釣りに下側のリリスを覗く。セイカは素っ裸だ。
「魔族なのに人間っぽいリリスのおっぱいとかってどうなってるのか見たいなぁ?」
「何なの?ヤメテ!」
ニヤニヤとしながら鉄棒で足を掛けてぶら下がる感じでいるセイカ。
「いいじゃん~!どうせ女同士なんだし、恥ずかしがる必要ないって!!」
リリスはセイカに絡まれている。
まあ、私には関係ないし、逆に関わると面倒な気がするから見て見てないふりをすることにした。
私は布団に包まった時、隣の部屋から騒ぎ声が漏れだしてくる。夜間に煩い───。昼間でも煩いけど……
「あ~!うるさいッ!ちょっと見てくる」
リリスは部屋を飛び出した。
まあ隣の部屋が煩いからという理由以外にセイカから逃れようとしていたことを読み解いた。
◇
リリスは扉を開けた!!
「男子達!うるさいッー!」
扉を開けると目の前に枕が飛んできて、顔面に直撃する。痛くはないけど、苛立ちを与えた。
「いやあ、コントロール…ミスって……!って、リリスちゃんに当たっちゃったんすね。」
笑いながら近づくカルトに余計に苛立ちを覚える。
カルトは急にしゃがんだ。そして、屈んだ身体の上を通る枕が再び顔面に直撃する。
「まだまだっすね!こんなんじゃ、当てられないっすよ!!」
自慢げに話すカルト。
カルトはリリスから枕を受け取ろうと近づいた。
───何故か妙にカルトへの苛立ちがMAXとなっている気がする。
リリスは手に持つ枕を強く握った。
「ああー、もう!!うざい────」
リリスは手に持つ枕を思いっきりカルトにぶつけた。カルトはそのまま後ろへと倒れた!!
「カルト、アウトーー!えっ、リリスちゃんも参加する?」
日野は愉しく陽気に話していた。
リリスは苛立ちとセイカとの関係への難しさによるストレスを薙ぎ払うように枕投げに参加した。
枕投げの参加者は四人となり、より白熱するようになった。その数分後、より白熱する……と思いきや──
「夜遅くに騒がしいなぁ!今何時だと思ってるんだ!?」
カイルはツカツカと部屋に入り込んで四人を止まらせた。
カルト、モブオ、日野、リリスはカイルを前に一列となって正座して説教を喰らった。
(何でリリスまで説教を喰らわなきゃならないの?何でリリスはこれに参加してたんだろう?)
リリスは自分の行いに横三人よりも深く後悔したのであった。
「まったくもう──」
こうして騒がしい枕投げ大会は幕を閉じた。
◇
魔王城改造計画は衣食住の拡充のために次の段階へと入っていった。
ここから四話ぐらいは砕けた話です




