四十四、 決着
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改善点が一通来ました。非常にタメになりました。ありがとうございます。その通りに改善するために徐々に着実と取り組んでいこうと思います。
身体から強大な力が溢れ出していくのを感じる。
左側の身体にこの世界を統べる怪物でも潜んでいるのではないかと思うほどだ。
漲る力を振り絞る。
エックスはトドメを刺そうと突撃してきた。目では見えない程の高速移動。こんなもの目で追っていては捉えられない。
残念ながら私は捉えられるけど……
魔王の力が加ったからかよりオーラを読み取れるようになった。そのオーラを感じれば攻撃を先読み出来る。
私は左腕を大きく振りかぶった。
『禁術魔法:創成:運任せの一撃』
エックスが剣を振り下ろす前に放たれる攻撃。私は攻撃を受けることなくエックスへと攻撃を与えられた。
この技は最強の技。
そう魔王が教えてくれた。
<その状態でのみ行えるこの世界で最強となる技が一つある。貴様はその技に賭けるしかない。>
この世界で最強の技──それなら、エックスにも勝てるかも!?ただ、凄まじいエネルギーを使いそうだ。
<ただし、その技の最高威力が出た時だけ勝てるかも知れない。>
「どういうこと?」
<その技は発動してみなければどの効果・能力・強さになるか分からないという特定の技をランダムで発生させるものだ。>
つまり、どんな技が出るかは技を出してからのお楽しみ。
「それって、強くない技とかもあるの?」
<ある程度は強いが……エックスを倒せる技となると、限られてくるな。>
この技は運任せ。
勝つには神に頼むしかない。
私の左腕から木の枝が無数に現れてエックスを呑み込む。エックスは私から離された場所で背中を地につける。そして、その場所から魔王城を貫く大木が現れた。大木はエックスを押し潰す。
天井は破壊され、小さく青空が見える。
殺ったか───?
いいや、倒せてない。
大木の根っこが横に斬られた。大木は城を破壊しながら倒れていく。途中で斜めに倒れたまま動かなくなった。ゴーレムが支えているのだろう。
エックスは切れた大木の所から身体を見せる。
もう一回攻撃するエネルギーはあるけど……。攻撃のためには少しだけ時間が必要だ。連続して撃つのは厳しかった。
エックスは剣を振り回し邪魔な大木の部分を切り落とす。そして、大木の上の方へと斬撃を飛ばした。ゴーレムは倒れたのだろうか?大木は私の方へと倒れていく。
ヤバイ────!!
この大木に潰されればひとたまりもない。
「も────う。壊さないで────。」
大木が消えていく。
さらには、壊れた城の時間が巻き戻っていくかのように壊れた部分が元通りになっていき、ついに元の城の状態となった。
ナマケモノが椅子にどっしりと構えていた。そして、ゆっくりゆっくりと話していく。
この状況に驚くモブオ。
「何をしたんです?」
「余は────。ナマケモノである────。城を────。壊すな────。仕方ないから────。余が────。巻き戻した────。」
時を巻き戻したのか……。
あのナマケモノのお陰で二回も助けられた。だが、次はあるとは限らない。もう力を借りずに倒したい。
ただ、まだ次の技を撃つためのエネルギーが足りない。
エックスが突撃してきた。
このままでは……
エックスが踏んだ地面から闇の煙が渦を巻き、エックスを閉じ込める。何かを踏んで、その何かから渦が現れた?
「えっ────?」
思わずに驚嘆をもらした。
「驚かせてすまはんな。これは属性地雷なんよ。土(闇)属性の地雷を踏んだ勇者はんは苦手属性の攻撃を受け簡単には抜けられないはずや。ワイが大木に目がいっている時に密かに置いといたんや。一気に決めるの頼みはるよ!!」
簡単には抜けられない……
という推測は外れた。エックスは簡単に渦を切り払った。
「まあいい。ワイの地雷が駄目だったとしても、モブミの磨いた剣の攻撃が追い討ちをかけるんや!!任せた!!」
二つの影がエックスを捉えた。
エックスの背後から剣を振ろうとするカルトと鉄パイプで殴ろうとするモブオ。モブキチ曰く、モブミによってカルトの剣の筋は上昇しているようだ。
それと、モブオは何故か頭にナマケモノを乗せていた。
エックスは足を素早く回して百八十度振り返る。そして、素早い剣捌きでカルトもモブオも斬られてしまった。さらに、剣も鉄パイプも真っ二つにされた。
ただし、ナマケモノの力で身体を斬られたことはなかったことになった。
武器を壊された二人に攻撃手段はない。
エックスは再び私向かって突撃してくる。
もう時間を稼ぐ方法はない。
……というかそんな必要もなかった。
『禁術魔法:創成:運任せの一撃』
モブキチ達のお陰でエネルギーは溜まった。私はこの技を力一杯振りかぶった。
零距離で技が放たれる。
爆炎がエックスを襲う。
巨大な炎がエックスを吹き飛ばし、壁へと飛ばした。その途中で剣は手離れ、地面を滑っていく。
炎は止んだ。
私は息を切らしながらエックスを見る。
エックスの目は死んでいない。剣なんか素早く移動すれば拾えるし、そこから攻撃出来る。つまり、立ち上がった瞬間剣を取られる。そして、そのまま負ける……
私は身体を動かしたいけどそんな体力もない。能力を使う体力すら常時使っている無重力の能力を使い続けることしか出来ない。それほど体力が残っていなかった。
「もう、終わりっすね────」
私が出る必要もなかったか……。良かった…
壁に背をつけたエックスに重火力銃を身体の前にセットし、引金に指を添えるカルト。
銃口がエックスを狙う。
「少しでも動けば引金を引くっす!」
何も出来なくなったエックスはただただ高笑いをした。
そして、優しく微笑んだ。
「私の負けだ。あなた達の勝ちだ。」
カルトは手に持った武器を地面に下ろす。私達は疲れからか背にもたれたり地面に腰を下ろしたりした。
部屋は急に無音となる。
その無音が緊張で溜めていた息を吐かせた。
エックスは意味深にも優しく微笑みかける。
そして……
「ありがとう────」
と声をかけたのだった。
これで50部分




