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四十、 魔王城で待ち構える反逆者

 ミケコに別れを告げ、私達は魔王城を目指した。

 森に詳しいゴーレムとゴーレムの命令による森の魔族の協力によって容易く魔王城へと着いた。


「準備はいい───?」


 その問に勿論だと言わんばかりの顔立ち。それを"大丈夫"だと見なし、私は魔王城へと入っていく。それに続いて仲間も入っていった。


 そこは反逆者(スレイヤー)の住処だった。

 魔王城の道の中、フードを被った人間が何人か襲いかかる。それを、日野は軽々と倒していった。


 魔王城の階段を登ろうとした時に一人のフードが立ち塞がる。その人間は日野の攻撃に張り合った。


「こんちゃ!うちは反逆者(スレイヤー)のセイカ。皆一変に戦うのはキツイなぁ。だから一対一で戦おうよ!そっちも戦力を失うのは嫌だろうしねー」


 フードを取るとそこには若い女の姿が見えた。

 私達の中で一人だけ伝説の勇者との戦いから外される。誰がいいのか?出来れば目的の場所までは日野の援護は欲しい。ならば、日野以外か……


「リリスがやるから、皆は先に行って!!」


 リリスが前に出た。

 ああやこうやと言う暇はない。ここはリリスに任せて行くしかない。リリスなら無事に追いついてくれる。


 私達はリリスにここを任せて階段を上っていった。



「後悔しないでね。うちは一流冒険者だからさぁ。負けても泣かないでねー!」

「リリスを泣かせるって?泣くのはあんたよ!!」


 (チェーン)と銛が衝突した。





 階段を上っていくと目の前には見た事のある敵だ。

「先には行かせないでござるよ!!」

 暗部(アサシン)だ。


 日野とカイルが武器を手に取る。

「俺に負けた奴がよくノコノコと前に出れるな──」

 カイルはフェンシングに使われる剣を暗部(アサシン)に向けた。

「ここは俺に任せろ!!」


 暗部(アサシン)は大きなワープホールを繰り出した。

 私達は先に進もうとしてたが、足に力を入れて立ち止まった。危なかった。もうすぐでワープホールの餌食となる所だった。


「行かせないでござるよ──」


 そんな暗部(アサシン)に襲いかかる負傷(ダメージ)。ワープホールは負傷(ダメージ)を受けた瞬間消えてしまった。

 斧が回転して日野の元へと戻っていく。

 斧にある回転鉄具(ブーメラン)機能が暗部(アサシン)を攻撃したのだ。お陰でワープホールが消えた。


「今のうちに行って!僕達が戦うよ!!」


 ワープのない間が抜ける道。今抜けなきゃ。考えている暇はない。私達はカイルと日野を置いて先に進んだ。

 出来るだけ戦力を維持しなければ……



「さーて、本気で行くねーー!」

「二度も負けることを後悔するといいよ」


 炎と焔が通路を赤く照らした。




 大きな扉を開ける。

 その部屋の奥には巨大な椅子がある。蒼くクッション性のある椅子は所々金でコーティングされていた。

 その椅子に座っている伝説の勇者エックス。


「この時を楽しみにしてた。私達を越してこい。手加減はしない。死んでも怨みっこなしだ!!」


 エックスは椅子から腰を離して立ち上がる。黄金に輝く剣を私達に向けた。

 私は重火力銃(ヘヴィランチャー)を構え、カルトは剣を抜き、モブオは鉄パイプを手に取り、モブミは包丁を用意し、モブキチは属性玉を取り出し、ゴーレムは一回り大きくなった。


「先手必勝や!敵の属性は火属性と言われている。なら、ワイの土(闇)属性の攻撃で終わりやな!モブミもちと手伝えや!!」


 モブキチは手に持つ属性玉を投げた。その玉はエックスの剣によって真っ二つに切られてしまった。いや、切られた方が良かった。

 玉の中から砂煙が勇者を襲う。旋風によって砂煙を前方へと舞わせるのだ。効果は抜群だ。

 砂煙によって動けなくなっている所を狙うモブミ。モブキチはその後ろから属性玉を持ってついていく。

 そして、エックスは目前に……


  「あまい────!!」


 砂煙を鋭い剣捌きで薙ぎ払う。

 間髪入れずに剣を回してモブミとモブキチを壁へと吹き飛ばした。壁に衝突しズルズルと落ちていく二人は瞼を下ろしたままだった。


「これで残るは四人か──いや、三人────」


 エックスは走り出した。

 私は引金を引いて銃弾を発射した。その砲撃を手練た横移動で躱し、カルトの横払い攻撃を飛んで一回転することで難なく躱す。

 一気にゴーレムの目の前だ。


「あなたの認めた彼女らの力が見てみたい。だから、あなたには少し場外してもらおう。」


 剣を振る。

 ゴーレムはそれを受け止めるために防御の構えで何とか乗りこなそうとするが、そのまま後ろに大きく吹き飛ばされた。

 ゴーレムは扉を越え、通路の壁を破壊し城の外へと飛ばされてしまった。


 残った戦力は私とカルトとモブオだ。

 何とかしなければ……



 太陽が射して明るかったこの城内部が急に真っ暗となる。電球の光だけが通路や部屋を照らす。

 私達のいる部屋でシャンデリアだけが周りを照らすので美しく目に映る。


 まさに、ラスボスと戦っているみたい(・・・)だ。



 エックスは高い運動神経を見せつけるかのように華麗に椅子の目の前へと戻った。



「私を楽しませて欲しい!」

次は月曜

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