幕間 三 , ────
物語は新たなステージへ
魔 王 ト ソ ノ 仲 間
王 ノ 催 シ ニ 奇 襲 ヲ カ ケ ル
私 営 ノ 勇 者 一 網 打 尽 ニ 死 ス
王 ニ 仕 エ ル 勇 者 モ 数 名 手 負 ス
魔 王 ハ 新 タ ナ ル 目 的 ノ タ メ
魔 王 城 ヲ 目 指 シ 旅 ヲ 始 メ ル
◆
「無事集まれたか───。良かった」
人気のない森の麓へと身を隠した魔王達。
そしてそこに滞在してから数時間後に私は目を覚ました。
「やっと、目を覚ましたか」
瞳に……クールなカイル、ホッとするカルト、無邪気に喜ぶ日野、ニコッとするリリスが映る。良かった皆無事だったんだ。
そうだ、私はリリスに渡さなければいけないものがあり、そして皆に話さなければならないことがある。
「まずはリリスにはこのペンダント。奪い返してきたよ」
私はリリスにペンダントを手渡しした。
リリスは大切に首にかけた。
「今回の件で一番横暴な勇者らは倒せた。私には、もう一つやりたいことがあるんだけどいいかな?」
なんだろうという目で見られている。
「私は《魔族と人間が共存する社会》を作りたいと思ってるの!着いてきてくれる?」
一瞬の刹那───
その後に皆の口が動き始めた。
「とっくに事件を起こした魔王の仲間なんだ。もう戻れねぇだろ!?」
「うん、いいよーー!楽しければ何でもいいーー!!」
「勿論、月華ちゃんに着いていくっすよ」
「リリスには戻る場所ないしね。それに、一緒にいたいから」
「ありがとう。みんな!!」
みんなは私に着いてきてくれるようだ。思わず顔が綻ぶ。
「まずは、《魔王城》へと行こうと思う。その間にある歪んだ勇者は今まで通り狩っていこうと思う。」
目指すは魔王城────
魔王城なら勇者が近付きにくいし、開拓するならそこが一番良いと感じている。
「旅か……。まず俺らは町の協力は得られにくいはずだ。最悪、王が指名手配とかされると完全にやばい。だから、まずは野宿出来るような物を揃えよう。」
「そうね───後、私、武器を失ったから武器が欲しいかも」
「僕もーー!折角の斧もなくなったーー」
首を縦に降って同意する日野。
「なら、俺のオススメの武器屋が魔王城に続く道の途中の町にある。それも、最初に通る町だ。先にそこに寄ろう。」
私達の次なる目的地への旅。グズグスはしていられない。
「ねぇ、そこにある石碑、何だろう」
リリスの指差す場所には小さな石碑が埋まっている。少し気になって近くに行って覗いてみると、四方向全体に何かが刻まれている。
空 白 ノ 歴 史 ヲ
是 ニ 示 ス
六 ツ ノ 石 碑
ソ ノ 一 ツ 是 ナ リ
これが真正面に刻まれた文字だった。
「空白の歴史────?」
「何なんっすかね?」
私は意味が分からず、次の文字へと進む。右に回ると次の文字に進むことが分かった。
私は見て周りついに一周した。
魔 王 ノ 名 ハ
佐 藤 曜 助
魔 族 デ ア ル ガ
元 人 間 ラ シ イ
魔 王 ハ 此 ノ 地 ニ
知 恵 ヲ 与 エ
魔 族 ト 人 間 ノ
希 望 ト ナ ル
魔 族 ノ 王 ト ナ ル 魔 王
魔 族 ノ ミ ナ ラ ズ
人 間 モ 慕 イ 始 メ ル
人 ノ 王 是 ヲ 憎 ム
「何だろう、コレ……。魔王は転生者だった?」
「この世界の真実を知らせるものなのだろうか」
「多分、残る五つを見ないとこれだけじゃ分からないね」
そう、未だに謎だ。
これが何の意図で何を伝えるものなのか……
「そんな深く考える必要あるの?僕は早く旅したいな!!」
「そうね────」
私達はその石碑を置いて麓を降りていった。
リリス後日談
「あっ、そうだカルトに話すことがあったんだ」
「何っすか?」
「神宮城での勝負の時に何でリリスを置いて逃げたのかなぁ?」
リリスはカルトを責める。
「いやぁ、そりゃあ、自分の生命の方が大事っていうか、、、っというか光のレーザー送って助けたんだからいいじゃないっすか?」
「まあ、手鏡があそこで使……ん?何であの時手鏡を!?」
「そりゃあ、こうなることを予想して逃げれるように渡してたんっすよ」
その言葉を聞いてギラリとリリスは睨んだ。
「やっぱり、そうだったんだぁ……。リリスを置いて逃げようとあの時から考えていたなんて」
「いや、今の言葉はなし……にはならないっすよねぇ」
────リリスキッぃぃぃク
リリスの連続キックがカルトをボコボコにする。
「ごめんなさぁぁぁぁい!!!」
リリスの後日談 end




