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十四、 圧倒的な戦闘能力差

戦闘シーンマシマシ

「行かせませんわよ♡」


 回転鉄具(ブーメラン)でもびくともしない壁。さらに、重力の影響も受けなかった。


「残念ですが、ワタクシを倒さなければ進めませんわよ」


 私はもう殺るしかない。

「死ぬ準備は出来ている?私は魔王よ!貴女が何者だって殺すわ」

「もちろんですとも」


重 力(グラビティ) ──── 』


 王女の周りに円形の重力がかかる。しかし、それだけでは壁を退かさないようだ。


圧 死(プレス) ──── 』


 王女は地面に這いつくばった。王女らしからぬ状況だ。


「ああ♡気持ちいいですわ♡」

 その言葉の真意が分からない。

「ワタクシ、王女の身分の元、一度も技を喰らったことはございませんの。さらには、地面に這いつくばることも。ワタクシ一人ではそのようなことはできません。さらには、並大抵の敵もワタクシの壁を越すことは出来ません。が、魔王殿による不可抗力とすれば、負傷(ダメージ)を受けることも可能です。」

「どういうこと?」

「初めての負傷(ダメージ)。素早く気持ちいいですわ♡もっとワタクシを痛みつけて下さい♡」



  王女は《ドM》のようだった。



「相手するのが勿体無いわね」

 私は重力を止めた。

「どうしたのですか?攻撃を止めたらこの壁は壊せませんわよ」


 私は壁の周りに力を調整した重力をかけた。それによって、床が(へこ)んだ。

 私は(へこ)んだ床から壁を潜り抜けて先に進んだ。王女のことは放置だ。


「ああ、折角気持ち良かったと感じましたのに……」



「あわよくば、自由に動けないワタクシを不可抗力で連れて行って貰いたかったと感じておりましたのに……。次はいつ逢えるのでしょうか」





 私は四階へとやって来た。四階の王の間へと辿り着いた。

 そこには、一人の勇者と王と王に使える何名かの側近がいる。

「来たか……。魔王───」

土瑠亜(ドルア)よ魔王と名乗る者を排除しろ!」

「お前の目的はコレだよな?」

 土瑠亜(ドルア)は手元のペンダントを見せた。

「王を狙えばこれを壊す。返して欲しければ俺を越えてこい。」

「望むところよ────」


 藍色(ななじき)の勇者である土瑠亜(ドルア)と私との勝負が始まった。






後 退 回 避(ボンナリエール)


 巨大な黄金の腕が地面へと衝突する。凄まじい音とともに、広く砂煙がたく。

 カイルは後ろに跳ぶことで攻撃を(かわ)していた。

「隙だらけだな」

 カイルは地面にめり込んだ金剛の腕に乗り、頭目掛けて走っていった。金剛は腕を戻すがバランス感覚は失っていない。


 カイルの位置はもうすぐ金剛の頭だ。


前 方 走 駿(マルシェ)


 カイルは一瞬にして、金剛の懐へと着いた。


前 翔 懺 撃(ボンナヴァン)


 カイルは空中に飛ぶといなや武器を横に薙ぎ払い、金剛の首を飛ばした。巨大な首は地面へと落ち、大きな砂煙を湧かせた。

 そして、平らになった首の部分に乗り移る。


「まさか、こんな巨大で強い化身が一瞬で!!」

 モミナは驚きを隠せていない様子。

「俺は火属性の能力()()。こんな物、溶かせばいいだろ?」

 高温の剣が金剛の首を()ねたのだ。


「だがしかし、化身は負傷(ダメージ)を受けない。どんなに首が無くても攻撃出来るのだわさ」

 金剛の片腕が天高く腕を伸ばした。狙いは自身の首だった。そこにいるカイルを狙っていた。


「今はこの武器はしまっておくか。」

 カイルは両手を金剛に重ねる。と同時に落ちていく金剛の腕。

「終わりだわさ!!」


 ───その時、鉄のように溶けていく金剛。


「俺の能力は触れた対象の温度を高めれる。化身(こいつ)はもう溶ける温度だ。」


 金剛は無様に散った。

 残るはモミナ単体だった。


「まだやるだわさ」


 今度は同じ金剛でもカイルの半分ぐらいしかない大きさの化身だった。その化身がカイル目掛けて殴りかかる。


針 突 穿 槍(アロンジェ)


 高温の剣は金剛を貫き吹き飛ばした。

「まだ殺るか?」

「時間をためなければ大きな化身を出せないし、出しても殺られるだけ。打つ手無しだわさ」

 飛ばされた金剛は消えていた。

 モミナは懐にしまっていた銃を上に向けた。その銃は鉄梯子銃(ワイヤーガン)で三階のテラスへと飛んで行ってしまった。

 勝負から逃げるように……


「一先ず、俺の勝ちでいいか……」


 カイルは扉の端で扉を背もたれにして座り込んだ。そして、隠し持っていた煙草を(ふか)して吸い始めた。






 鋼鉄の斧と(つめ)がギシギシとぶつかり合う。そして、ギルゴードが軽く飛ばされる。

「それじゃあ、これはどうかな?」

 日野は斧を回転させて投げた。回転してくる斧をギルゴードは(かわ)した。

「回転……。そうか回転鉄具(ブーメラン)か。掴めば武器を奪えるな」

「そう簡単にはあげないよ!!」


 回転する斧の軌道にギルゴードはいた。それを掴むつもりだ。

 斧は炎を(まと)い始め、ギルゴードの近くになる頃には強い炎となっていた。


 炎の衝撃波がギルゴードを吹き飛ばした。


「どう?そう簡単にはいかないでしょ?」

 今にも死にそうなギルゴードと、全くの余裕を浮かべる日野。圧倒的な戦闘能力の差が伺える。

「てめぇ、化物と同じ出鱈目(デタラメ)かよ!?満月でも勝てる気がしねぇよ」

「君が弱いだけじゃない?そんなに弱いのに七色(ななじき)ということに驚きだよ」


 その時に一人の小さな女の子がやって来た。

「あんた死にかけじゃない!?」

「甘く見てたぜ!こいつらヤバイぞ。ってか、お前勝って来たのか?」

「いや、逃げて来たんだわさ。これは戦うよりかは王を護った方がいいだわさ」

「だな───」


 ギルゴードとモミナは三階の内部へと進んで行った。そこにいる日野は無視して───



「はあ、中には行きたくないなぁ」

 日野はそこで寝そべった。まさにひなたぼっこのようだ。







「はあ、疲れたぁ~」

 至る所に喰われた床や壁。はあはあいいながら疲れているカルトとリリス。


「もう疲れたし、眠いから寝る~」

 セイモアは戦闘を忘れて眠ってしまった。膨らんだ鼻提灯がその証拠だ。


「今度こそ、眠りを妨げないように行くぞ!」

「何を偉そうに!あんたが起こしたんでしょうが!!!」


 今度こそはゆっくりとゆっくりと進み、無事階段を昇っていった。

 階段を昇り三階に進む。

 勇者達の姿が見えない。心に休息を与えて進んでいく。


「見つけた!やっと、暴れられる。」

「本当に裏切ったのね、カルトちゃん!」


 目の前にはゲイルとベティの姿があった。


「うわぁ、ゲイルにベティちゃんじゃないっすか……。相性最悪過ぎる…」



 目の前にはゲイルとベティ。戻ってもセイモア。



「さあ、楽しもうぜ!!」


 ゲイルは手に持った小刀を手際良く回転させて格好つけた。

勝敗記録


カイル〇──モミナ△(逃亡)

カルト&リリス△(逃亡)──セイモア△(放棄)

日野〇──ギルゴード△(逃亡)

月華△(抜け駆け)──王女△



戦況


カルト&リリスvsゲイル&ベティ

月華vs土瑠亜(ドルア)

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