十三、 それぞれの決闘!?勇者 対 魔王
火曜~木曜は少なめということに気付いた。
キャラ付け
ベティ…魔法使いの女性。眼鏡をかけていて、魔法本を持つ。魔女のようなとんがり帽を被る。
ギルゴード…上半身全裸の男前な見た目。腹筋が綺麗に割れている。
セイモア…堕落しきった女性。だらしない感じがある。
巨大な金剛が私達を殴り殺そうとしている。その攻撃を受ければひとたまりもない。
「カルト……お願いっ!!」
「皆、目を瞑るっすよ!」
眩い光が放射された。光は金剛に当たると反射され、さらに眩しく輝いた。
「今のうちっす!」
私達は敵の目を奪っている間にすり抜けて扉を開けた。後は進むだけだ。金剛の勇者は置いていく。
「待ちやがれっ───!!」
目を回復させたモミアは追いかけようとしたが、背後からの一言で止められた。カイルだ。
「追えば俺に殺られるがいいのか?二兎追うものは一兎も得ず。まさに、そうだよな。一人残れば、お前はどちらかを諦めることになる。」
「なるほど……。やられたわ。早くあんたを殺して追いつくだわさ」
「生憎、殺られるつもりわねぇけどな」
カイルはフェンシングに使われる剣を握り、剣先をモミアに向けた。
「さあ、勝負しようか」
◆
走りながら武器を投げたり振り回したりしていた。それだけで、勇者は消えていく。一階にいた勇者はほぼ全滅だろう。ただ、逃げた敵や隠れた敵などは知らないが。
「さっきの話によると三階のテラスにもう一人の七色が配置されているみたいね。私は先に三階へ行くわ。二階の方は任せたわ」
私は一階の窓から外へと飛び出した。
『 月 重 力 ──── 』
ゆっくりとそして長い跳躍で私は二階を飛ばして三階へと進んでいった。
「行ってしまったっすね……」
「そうだねーー!!そうだっ、僕も三階の方が面白そうだし、行ってくるね」
「どういう意味で……」
日野は私が硝子を破って破壊した窓へと走っていった。
「僕の技『 太 陽 炎 流 移 動』で飛ぶんだ!!」
「はい!?」
日野は炎を身にまとい水流の炎バージョンみたいに進んでいく。まさに、水流から命名し炎流だ。その炎流は日野の意思で自由に動き、その先方に日野が顔から進んでいく。
炎流は窓から外へと出て、空に向かって進んでいった。
「リリスちゃん!ウチらは普通に二階から行くっすよ……」
「言われなくても分かってるわ」
「良かったっす、取り残されなくて……」
「もしものためにこれ渡しておくっすよ」
カルトはリリスに小さな手鏡を渡した。
「何で、これを?」
「もしもの時のためっす」
カルトとリリスは二階へと進んで行った。
テラスへと上がるとそこには一人の男が立っていた。その男が私に気づく。
「オマエは誰だ?」
「魔王だ。痛い目を見たくなければ、通らせて貰おうか。」
「馬鹿いえ!オレは赤紫色の勇者のギルゴード様だぜ!痛い目を見るのはそっちだ!!」
ギルゴードの身体が徐々に野生化していく。
ギルゴードは狼のような見た目となると、私に襲いかかってきた。それと、同時に後ろから炎流が飛び出してくる。
狼の極爪と炎流が衝突する。
ギルゴードは少しだけ吹き飛ばされた。
「お母さん、ここは僕が相手するよ!」
炎流の正体は日野だった。何故、ここに来たのか少し驚くが、そんなことに驚いている場合でもなかった。
「おいおいおい、女の次の相手は子どもかよ!オレも舐められたもんだなぁ」
ギルゴードは怒りを顕にする。
「オレはなぁ、月属性の能力ウルフ。月の光を浴びると強くなる。満月になれば最早最恐。そう、オレは世にも珍しい珍種属性の一人なんだぜ!!」
ギルゴードは私達に強く訴えた。どこか人を見下すような態度をしている。
ただ……
「私、月属性の能力重力で珍種属性だけど?」
「僕は日属性の能力太陽ーー!同じく珍種属性だよ!!」
私達も珍種属性だ。
「えええええええええええ!!!!!」
ギルゴードは思わず変顔になる。ショックを受けたのか四つん這いになって「俺の最大の個性はどこへ」と繰り返している。
私はその間を潜って先に進むことにした。真正面から行くよりも途中から行った方が早く進める。私は硝子窓から侵入して進んだ。
ギルゴードの相手は日野。私は進まなければ……
「じゃあ、勝負の続きをしていい?」
日野はギルゴードに問い掛けた。
一階と二階に勇者を配置しすぎたせいか、三階は静けさが残る。廊下には一人として勇者がいない。ただ、勇者じゃない者なら一人だけいる。
私は走っていくと盛大に壁にぶつかった。
透明色だが、よく見ると水色っぽい四角いバリアが幾つも積み重なって道を完全に封じている。
「その壁は絶対防御の壁でございます。ワタクシ以外誰もその壁を壊すことや動かすことなどできません♡」
ドレスを来た女性。彼女は王女だ。何故か知らないがここにいた。
「さあ、魔王殿。ワタクシを楽しませてください♡」
◆
何人もの勇者を斬った。何人もの勇者を刺した。もうこのフロアで目に映る勇者は殆どいない。
カルトとリリスは三階へと続く階段へと進んだ。
その階段の前には、横たわって鼻提灯を膨らませながら寝ている女の姿。多分、勇者だろう。
「何か強そうだし、余計な戦闘は避けたい。気付かれないように行こう。」
カルトはリリスの耳元で囁いた。それに頷くリリス。
ゆっくりと忍び足で階段に近寄る。気付かれないように……。少しずーつ。少しずーつ。
パシンッ───
カルトの持つ鞘が鼻提灯にぶつかり、鼻提灯が破れた。その破れた音が静寂の空間に響き渡る。
驚いたカルトとリリスを本能からか高速後ろ歩きで寝ている勇者との距離をとった。
「何やってんのよ!このばかっ」
リリスはカルトに小さく怒る。
しかし、未だに寝ているようだ。危なかった。再び起こさないように静かに歩こう。
と考えている間にセイモアは普通に起きた。
「うーん、良く寝たぁ~!」
背伸びするセイモアは二つの影を捉えた。
「敵発見。寝たら、お腹空いた~!頂きまぁす!」
カルトとリリスは苦笑い。
「起きちゃったんすねぇ」
セイモアの右腕が怪物の腕に変わる。悍ましく、ヘドロのようなモノが沢山ついたようなボディに、口と歯だけが見える先端。伸びていく右腕。その色は紫と黒と、色んな色を合わせたような色だ。
右腕の怪物はカルトとリリスの元へ一直線に向かって進んだが、急に避けたためそのまま床に直撃した。
衝突した床を喰らう右腕の怪物。喰われた床は消えていた。
そして、セイモアの元へと戻っていく。
「土(闇)属性の能力悪食。体の中に住む暴喰の怪物のせいで、お腹空くし、疲れるし、眠くなる。」
「暴喰の怪物が体から出て喰らうんっすね。怖いっす」
「うん、今や体の一部分だし。頭、腕、足、好きな部位一つだけをその怪物に出来るよ~。もう一度見たい~?」
セイモアを突破しなければ先には進めなさそうだ。
「勝負開始っすね────」
戦況把握
1F(外)───カイルvsモミナ
2F ────カルト&リリスvsセイモア
3F(外)───日野vsギルゴード
3F ────月華vs王女
その他
1Fトイレにて、ケアンがトイレで奮闘中。
3Fでゲイルとベティが待機。




