幕間 二 , ────
久しぶりの特殊な書き方。
勇 者 ヲ 狩 ル 魔 王 ト ソ ノ 仲 間
魔 王 勇 者 ヲ 一 網 打 尽 ニ ス
残 ル 先 鋭 ノ 勇 者 魔 王 ノ 攻 撃 ニ 備 エ ル
魔 王 ラ 五 ツ ノ 影 勇 者 ヲ 襲 ウ
激 闘 ノ 故 勝 利 ノ 兆 シ ハ
その続きはくすんでいて読めない。
草原に置かれた古文書。今は空白の頁。歴史に刻まれる事件が起ころうとしていた。
◆
勇者達が式場に集まる。
式に参加する勇者はどこか厳想でピシッとしている。皆が一斉に同じ方向を向いている。
これは勇者達の儀式────
「ゲイルは参加しないのか?」
「面倒くさいからな」
ただし、参加しない勇者もいる。
◇
『 重 力 ────』
時間はたっぷりある。力を溜めて、大きくそして遠くに重力の円形を作る。
巨大な円形が勇者達を捉える。
「しめた───ッ」
『 圧 死 ────』
重力の餌食となった勇者達は────。何処へと消えてしまった。
「数はあるけど強くはないから経験値もそんなには得られなかった。けれども、やはり疲れた。明日のためにゆっくり休まなきゃ」
◆
「大量の勇者が消えただと?」
憤慨する王とそれを宥める側近。三名の勇者がそれを見て下を向いている。
「ただ、ここに残っているのはその勇者よりも遥かに実力差が違う者達。必ずや王、お守りさせて頂きます。」
「頑張って下さい────。」
王女が窘める。
「残る勇者はどれほどだ?」
勇者が勇者に聞いた。
「我ら七色の勇者三名に加えて、順位最上位土瑠亜班のゲイル、ベティ。我が仲間のセイモア。上位勇者のケアン。それと、たまたまその場に居合わせなかった勇者ら。」
「七名とプラスアルファか、だが、優れた先鋭ではあるな。」
「そういや、何故子どもの悪戯に王はあそこまで真に受けるのか?勇者が殺られたのと悪戯は別物だろ?というか、勇者が消えたのを聞いて子どもが悪戯しただけだろ?」
「まあ王の命令だ。聞くしかいだろう。まあ子どもっぽいなぶり書かれた文字に子どもっぽい脅迫状。さらには、届け方がアレだもんなぁ。 悪戯に思えてくるのは仕方ないよな。」
「ほらな」
◇
「まさか、全員の勇者を消しちゃうなんて」
開いた口が塞がらない日野。
「いや、まだ残っている。七色の勇者が三名。ギルゴード、土瑠亜、モミナ。さらに、何名かの生き残りもいるはずだ。」
カイルとカルトの偵察も終わったようだ。
「送ってくれた?果し状は。」
「勿論っ!!」
「どうやって、果し状を送ったの?」
「"紙飛行機"にして送ったんだーーー!!」
「ちょっ!!!ソレ、なんかが違う!!」
「まあ、果し状の件は無かったことにして動かないとな」
◆
次の日───
「行きましょう────」
回転鉄具を装備する月華。フェンシングに使われるあの剣を装備するカイル。斧を背中に装備する日野。剣をかっこよく鞘に収めるカルト。銛を装備するリリス。
一方で──
満月の月は出てないが、月が出るのを眺めているギルゴード。剣を構える土瑠亜。小さな身体を揺さぶっているモミナ。小刀を振り回すゲイル。杖を握るベティ。涎を垂らし鼻提灯を膨らませて寝ているセイモア。新品の銃を磨くケアン。殺されないように頑張ろうと身構える勇者達。
THE START
ここまではまだ仲間集めがメインだったけど、ここからはバトルがメインです!!
・セイアナからセイモアへと変更しました。




