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“ヒカリ草”
こうして僕はサンドイッチと飲み物、サラダを頂いて、そこそこお腹がいっぱいになった。
そう思っているとマリーが、
「次は森の中で食材をいくつか探しに行ってみましょう。“香りの森”と呼ばれる場所には、沢山の新鮮な野菜や果物など、沢山の物があります」
マリーがそう言って僕手を引いた。
そしてそのまま森の方に連れていかれると、道端に透明な球の中に黄色く光る玉が入っている草の果実? のようなものを目にする。
僕はマリーにこれは何かと聞くと、
「“ヒカリ草”です。熟すと光になって中の種がそこら中に飛びます。食べる場合は熟していないものをとり、中の種……光の球を食べます」
「食べてみてもいいかな?」
「それは構いませんが……」
そういわれたので食べてみると、“麩”のような触感がして、しかも味は何もない。
「……空気を食べているみたいだ」
「はい、生でもたべられるのですが、加工して食べることが一般的です」
「もっと早く言ってよ……」
「案外異世界人には美味しいかもと思ったのです」
そう僕は返されてしまったのだった。




