“パズルクッキーサラダ”
こうしてお魚ジャムのサンドイッチを頂いた僕だけれど、もう少し食べたい。
でもそういうのは悪いかなと僕が思っているとマリーが、
「これだけだと小さいのでちょっと足りないですね。確か……新鮮な野菜や果実はあまりないのですが、ちょっとした保存性のあるサラダがあったはず」
そういって、戸棚から何かを探し始めた。
なんでもマリーが言うには、異世界に返すのは簡単だけれど、呼び出すのはむつかしいらしい。
今回は一回で成功してしまい、とても驚いているそうだ。
そこで四角い木箱を取り出したマリー。
ふたを開けると、四角い宝石のようなものがいくつか入っているのが見える。
「“パズルクッキーサラダ”です。この色ごとに違う味が楽しめます。名前の由来は、箱にこうやって入れるとパズルのように見えること、また、この果実をとるのに、特定の形で枝が絡まっているのでほどいていかないといけないことからきているんです」
そういって僕に箱を差し出してきたので、そのうちのオレンジ色の物を僕はいただくと、
「人参とリンゴを混ぜたような味。サクサクしていい香りがして好みです」
「人参とリンゴは異世界の食べ物ですね。なるほど、これはそう言った味がするのですか」
マリーがそう頷いたのだった。




