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“フルーツ巻き”
さらに進んでいくと、今度は薄く伸ばしたものにナッツや黒いものを包んで巻いているものを見かける。
ロールケーキのようだと思っていると、マリーが水色の物と茶色の物、ピンク色の物を二本ずつ購入して僕に渡してきた。
「“フルーツ巻き”です。木の皮を薄く伸ばして、蒸しあげたものに果実のペーストを挟んだものです」
そういわれて水色の物を食べてみると、
「ラムネのような味がして……中には白あんみたいなものが入っている。美味しいけれど……周りは柚餅子のような触感? フルーツの味はしないような」
「なるほど。では茶色い方はどうでしょう?」
「……胡桃のたれが入ったチョコレート味の柚餅子? かな? でもフルーツの味はしないかな」
「そうですか。では赤いものは」
「……イチゴの風味がする。これはフルーツの味に感じる。中にはゴマ風味のたれが挟んである」
「なるほど。これは果物の味がすると」
そういってマリーが何かをメモしていたのだった。




