“ミックスフルーツサイダー”の果実
こうして僕は、マリーに頼まれて異世界の食べ物について感想を言うことになった。
そしてマリーは僕に、
「早速この世界の果実のジュースを楽しんでいただこうと思います」
「どんな果実なのですか?」
「“ミックスフルーツサイダー”の果実です」
そういってマリーは僕に、黄色くて星の模様のある、何かの玩具のような果実を取り出した。
その一部を切り取ると、色とりどりの、まるで果実のグミのような星形の物と、球状の緑のような水色の丸い粒が中から出てくる。
この星型の物が種で、口に含んでかむと、すぐにつぶれて甘い果実の香りのシロップが出てくるらしい。
しかも色によって香りが違うのだそうだ。
そしてこの丸い粒だが、水に溶かすと炭酸になるらしい。
また、ものによるが一部ゼリー状になるのだそうだ。
その果実の中身をコップに注いで、水を加えて軽く混ぜる。
この世界ではこうやって味わうのが一般的らしい。
そう聞きながら僕も手渡されたそれを口に含む。
星形の種は、歯で噛むとプチっと潰れて口いっぱいに果実の香りが広がり、ゼリー状になったサイダーに果実の香りがつく。
今のはパイナップルの香りがした。
今度は別の星形の種。
リンゴの香りのするサイダーになった。
今度は二つ一緒。
そうして気づけば一杯飲んでしまった。
そこでマリーが、
「どうでしたか?」
「種を一緒に食べることで、次々に味が変わっていくのが不思議な感じがしました。こういった果実は僕たちの世界にはありませんから」
「なるほど」
そうマリーは頷いたのだった。
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