滅びへのカウントダウン
科学者0と医師ロゼッタの成功から月日は流れていき、彼らの成功を人々は喜びました。
彼はその光景を見ながら呟いたそうだ。
「人間は、浅ましく、己の欲望に忠実に生きる卑しい生き物だ。だからこそ人類は、とどまることの無い欲望を満たすために進み続けるのだ。」っと。
彼の残した言葉は現実となった。
彼らの遺志を継ぎ様々な者たちが集まり、強大な棟と言うべきか、柱のような建物を造り上げました。
その建物は、地球から突抜宇宙圏まで到達するほどのモノでした。
世界のシステムその物となる移住空間を備え、いかなる外敵からも守り抜く地球最高のシステム棟。
後にこの棟はノアの柱と呼ばれました。
西暦2145年
地球は、世界は、大きく変わっていく。
老いることの無い体、死が訪れても生き返り、傷がついても直ぐに治る。
痛みも余りなく苦しくもない。
人々はまるで生死をゲームのように扱うようになりました。
毎日のように葬式を挙げ、生き返りを繰り返す者すら出てきたのです。
カーンカーンっと死者を伴う鐘の音が響くなか、参列者は誰一人としていない。
町の住人たちは呆れたように言うのでした。
「また、あのお爺さんよ。」
「葬式を挙げるの好きだねー。」
「暇になって夕暮れには出てくるさ。」
っと笑いなが男はいい。
そうだ!そうだ!と葬式を遠目から見ていた人々が、笑いながら言いました。
また、ある道では人が刺され亡くなっていました。
道行く人は足を止めることは無く、死体の横を進んでいきます。一人の老婆が無残な亡骸を見ながら言いました。
「じゃまねー。こんな道の真ん中で。あんたが殺したのかい?」
死体の側に立っていた男は頷き「あぁ」と答えました。
「あんたらの夫婦喧嘩は血生臭くて嫌なんだよぉ。毎回喧嘩するたびに道の真ん中で殺して!邪魔ったらないよ!」
「すみません。お婆さん、直ぐに生き返してくるので。」
と男はすまなそうに切り刻んだ妻を抱き上げると警察へと行きました。
「すみません。人を……妻を殺しました。」
「また、君ら夫婦か。いい加減にしてくださいよ!道の清掃が大変なんですから!」
そう警察官は答えました。
もう、人を殺しも法で裁かれることの無い世界になっていました。
ある神父はい言いました。
「人々は生死から解放去れたのだ!我々は神なのだ!」
そうだ!っと人々は叫び喜びました。
だが本当にそうなのかは、誰にも解りません。
ですが、今あるこの異常とも言える状況こそが彼らには全てで、それこそが神の技なのだと信じて疑わなかったのです。
そろそろ都市を破壊したいなと思っております。(笑)