再会
半壊した廃墟の建物を出た二人は、ソノラが居るであろう第二部隊へと合流すべく、リズが連絡したのであろう車へと乗り込んだ。
リゼは思った。良くあそこまで半壊した建物から無事に出てくることが出来たものだと。
綺麗にゼロとリズが居たところだけが崩れず残っていたのだ。
車に乗り三十分位だろうか、ソノラが居るであろう場所へと到着した。そこはグリーンハート国の政府機関の中でも中心部、王がいる王室の一室だった。そんな部屋は一般市民には緊張の一言で終るのだが…
「ヤッホーゼロ君!あ!すみません。紅茶のお代わりお願いします!」
「……凄く馴染んでるねソノラ。僕の心配を返してくれない?」
肩をすくめてゼロはソノラに言うが、ソノラはマカロンを頬張りながら片手で手を振っていた。
「私は上に報告があるので失礼するよ。」
そう言うと、リゼはソノラとゼロを残し部屋を後にした。
「それよりゼロ君!流石だよ!政府中心部の紅茶!いい茶葉使ってるよ!ゼロ君も飲みなよ。」
まるで自分の家かのように振る舞うソノラにゼロは頭を抱えソノラの隣に座った。
「それより。ゼロ君無事で何より。」
いきなり真剣な顔になりソノラはゼロを見た。
「そこまで無理はしませんよ。」
苦笑しながらゼロは答えた。だといいけどっとソノラは呟きながら、お代わりの紅茶に口を付けた時だった。コンコンとドアをノックした後、深々と一礼をし一人のメイドが入ってきた。
「王がお二人にお会いになるそうです。ご案内致しますので、此方にお願い致します。」
礼儀正しいメイドにゼロとソノラはお互いの顔を見ると頷きその部屋を後にした。