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Seventh Heaven~7回目の天国~  作者: S8k
第一章 旅立つ者
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 ピターン・ピターンと雫が落ちる音がする。

 真っ白なロングワンピースを着た裸足の女性に少年は後ろから抱き締められていた。


 あぁこれは夢かっと不思議と冷静にゼロは思った。


「ねぇゼロ。私の可愛いゼロ。」


 甘ったるい声で女性が耳元で話しかけてくる。


「人って何て儚くて愚かで愛しいのかしら。…ねぇゼロ。本当に殺したくなるほど、愛しいと思わない?」


 ゼロはただ、何も言わず睡蓮の花が咲き乱れる庭を眺めていた。


「人の身体はねゼロ。魂を入れる只の器なの。分かるかしら?ゼロはまだ子供だから分からないかしら?だからねゼロ。人は死なないのよ!魂が…脳が死ななければ、細胞が有れば死なないのよ!死なないの!何て憎たらしのかしら!!ねぇゼロ!」


「そうですね。本当に殺したく成る程愛しくて憎いですね。」


 ゼロは答えた。


「あぁゼロ!私のゼロ!何て愛しいのゼロ!ゼロゼロゼロゼロ0(ゼロ)


 女性は叫ぶ様にゼロを抱き締め口付けをした。ゼロはただ何も思わずその口付けを受け入れる。


 俺に分かることは貴方が壊れているって言う事実と、本当に殺したく成る程に貴方が愛しいと言うこと。俺らは狂ってる。だから、ちゃんと愛しい貴方を殺しに行くよ。それが、俺の望みだから。これ以上貴方が罪を重ねないように。ちゃんと…殺しに…




 うっすらとゼロの意識が浮上していく。知らない間に気を失っていたようだ。嫌な汗が出る。リズから擦った拳銃を確りと握りしめ、視界も少しぼやけている。まだ完全に覚醒していない自分に溜め息をつくゼロ。


「久しぶりに、見たな。胸糞悪い。」


 ゼロは呟きながら前髪をかき上げた。ずれた眼鏡をかけ直しリズの気配を探る。


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