鬼ごっこ3~廃墟~
ゼロとリズは右に左にと要り組む道を進んで行く。次第にゼロの息が上がっていく。
「どうした?ゼロ。息が上がって要るようだが?」
「っそう思うなら、諦めてくれませんか?僕、体力派じゃ無いんですよ。」
だろうなっとリズはゼロに言葉を放つ。
「本当に性格悪いですね中佐!捕まえられるギリギリの距離感とか!」
「ゾクゾクするだろ?」
とリズは笑いこの状況を楽しんでいる。この人ドSだ!とゼロは思った。
全力で走り廃墟へと入っていく。
ずいぶん使われていなかったのだろう、埃が光に反射しキラキラと光っている。ゼロは袖に口をあて咳き込む。
「思ってた以上に荒れてますね。…電気は…奇跡的に通ってますね。」
ゼロが歩く度に落ちたのであろう電球の破片や割れた窓ガラスの破片を踏むのかパリパリと音をたて建物全体に響き渡る。
電気は所々ついては消えるを繰り返し、中は薄暗く何かの薬品でも作っていたのか液体が床にこぼれ濡れている。
ゼロはどんどん奥へと入っていく。
「さてと、どうしましょうか?」
ゼロは独り言のように呟いた。廃墟は二階建ての様で二階に上がる事が出来るようだ。
一階は何かの実験室だったと思われる部屋と何かの荷物が入っているのだろう広目の倉庫の用な部屋だ。
ゼロは悩みながら広目の倉庫の部屋と入っていく。
まだ、リズがこの廃墟に入ってくる気配はない。
警戒してるんですかね。と思いながらゼロは徐に置いてある箱をこじ開けた中身は白い粉。
指先で触り舐める。
「…これは!小麦粉ですね。警備隊の方のように麻薬!とか言ってみたかったですけど…残念です。」
余裕でも出てきたのか肩をすくめて微笑むゼロ。荷物がいい壁になっている倉庫の端にゼロは座り込む。
リズがくるだろう廊下から、ギリギリ荷物で見えるか見えないかの位置。
やけに静かなこの空間と時間が、居心地が良いような悪いような不思議な感覚だとゼロは思った。