未練野郎の熊転生
過去の作品見てわかる通り
作者は適当、飽き性です
それでもいい方はどうぞー
薄暗い部屋の中でベットに寝転びながらぼんやりとスマホに映る文を眺めていた
-ごめん。私知ってるの
だから終わりにしよう
もう私の事は忘れて-
未だに消さない連絡先
その相手との会話の履歴
もう涙はでないけどまだ悲しさが胸のなかでじんわりと広がっている
彼女とは中学の頃から高校までつきあっていた。
恋も愛もしらないlikeとloveの違いがわからなかったまだ青い中2の夏その子に告白されて
何気なく付き合ってみた
高2の春に海外に興味をもちカナダへ留学する事を決めた
結局高3の夏に帰ってきたが、それをメッセージで送った返事がこの文だった
僕は彼女を悲しませてたんだ。これは当然の結果だったけど
知らなかったんだ!僕は本当に君のことが好きだったってことが。気づかなかったんだ
誰も教えてくれなかったじゃないか!
ぶつけどころのない怒りが蓮を襲いすぐに冷める
言い訳だな。結局は自分のせいだ
全てが終わってから気づくんだな
いつもいつも
(この文を読むのはもう何度目だろうか)
(忘れないとな。)
蓮は削除ボタンに震える指を置き
目をつぶった
意識を離したころに一粒だけ涙が落ちた
外では白い地面を作ろうと空から雪の粒が降り始めた
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ヴァーチャルタイブ(VR)型のゲームが誕生してからいくつかの季節がすぎたが
人々はVRゲームへの熱をまだ冷ます様子はみられない
石を投げればゲームの話をしている人にあたるのではないかと思うほどゲームに熱中してる人が多い
そんな中、新しいRPGゲームが発売された
キャラメイキング自在!オープンワールド!自由!
そんな売り文句
だが、それは蓮にとってそのゲームを買うのに十分過ぎる言葉だった
夏休み前にそのゲーム"とある世界での物語"
通称"とあせか"が発売され蓮はなんとか手に入れることができた
ルンルンで家に帰りゲーム機をつけた
-これは誰でもないあなたの物語-
-あなたはこれから新しい生をうけるのです-
-あなたの名前はなににしようかしら-
暗い闇の中薄っすらと女性が浮かび上がり
美しい声が耳に入る
「ポーラービアー」
蓮は迷いなくその声に返事をする
そのニックネームを毎回使っていたためだ
-あなたはどんな姿になりたい?-
魔族と人族があるようだ
人族というと新たな選択肢が生まれる
RPGではもはや使い古されているエルフやドワーフ、人間の他に獣人とハーフがあった
獣人はどうやら犬や猫といった動物が人間大の二足歩行生物になったような姿になるようだ
ハーフはその名の通り2種類の間の種族になる
無意識にどことなく熊っぽい
ふとっちょ猫人間 あるいはふとっちょ犬人間のような姿をつくった
-へぇ、興味深い選択ね。今の姿とは大分かわるのに-
その言葉が響くがポーラーヴィアーの意識はここにはなかった
特には何も考えずキャラ設定をしていった
蓮の頭の中ではあるシーンをずっと思い出していた
___私ポーラーベアーが大好きなの!___
シロクマのグッズに溢れてる部屋のなかで熊の人形を抱きしめている女性
ふと我に帰った時にはいままで自分で作ったはずなのにまったく親近感の湧かない姿が目の前にあった
----名前-----ポーラーヴィアー
----種族-----獣人
くすっと自傷する様な笑い方をしたあと
体がどんどん変化していく感覚におちいる
-あたらしい世界にようこそ。あなたは死んでしまったけど、この世界では幸せになれるといいねぇ-
そう、蓮は死んでしまったのである
ゲームを買った日の夜
コンビニから帰る道中
ある女性とナイフを持った男を見つけた
その女性を庇ってころされてしまったのだ
即死だった
死ぬ前にゲームをやる事ばかりを考えていたからゲーム感覚になっていただけだった
-それじゃあ、がんばって-
もうその声は聞こえていなかった代わりに
1つの記憶が目の前に広がる
その時の自分を遠くから眺めている感覚だ
元カノに別れを言われてもう一度だけあってほしいとお願いした
告白をされた公園のベンチに2人で座っていた
あの時君は泣いたっけ
ぼくはどうだったかな
ぼくはなんて言ったっけ
本当に君がすきだったんだ
さっちゃんは幸せになってね
そう呟いたあと意識を手放した
すっごく未練がのこることってありますよねー
余談ですが作者は連絡先消して酒飲んで寝ますね
みなさんは連絡先消す派ですか?消さない派ですか?