冒険にテストは必要だろうか
────ベルス視点────
女神様の言いつけで、雄大さんの仲間として活動することになった。雄大さんはどうやら僕と同じように女神様に送り付けられてここに来たようだ。ちなみに、僕は一人称が「僕」で通してるけどちゃんとした女ですよ?前回も僕の事「少年」とか言ってた気がするけど女です!よくアニメとかであるやつですよ。女に見える男 みたいな。でもこのことは雄大さんには内緒にしておこう。なんとなく。
「あの〜、これからどうするんですか?」
「そうだなぁー。行くあてがないんだよなー」
行くあて…そこで僕は初めてここに来た時の事を思い出した。
(たしか、最初は冒険者と認めて貰うために集会所に行くんじゃなかったっけ。)
「雄大さん!とりあえず最初は、冒険者と認めて貰うために集会所に行きましょう!」
雄大さんは少し困った顔をして言った。
「そうしたいのは山々なんだけど…あの女神がなあんなこと言ってたからなぁ…」
あんなこととはなんだろう。そんな事を疑問に思ってるうちに雄大さんが言った。
「あいつ農家になれーとかいってただろ?だからいいのかなーって」
思い出した。たしかに言ってたけど気にするような事ではない気がした。
「大丈夫ですよ!あんな設定だけの言葉になんか何の意味もありませんって!」
「そうなのか…じゃいいか!よーし行くぞー!」
女神様になんか言われたら雄大さんに責任を押し付けるとして、僕達は早速集会所に向かった。
謎の声「移動の時って小説なら歩かなくてもいいから便利だよねーー!」
────雄大視点────
とりあえず着いたけど…目の前には大人100人分はありそうなほど大きい建物があった。
「でか!なんだこれ!?」
ベルスが扉を開けると中にはいろんな人で溢れていた。旅人、商人、芸人、科学者などなど!俺は本格的な冒険ファンタジーの世界にいる気がしてかなり興奮していた。
「とりあえず、システムマスターさんのところにいって冒険者になるための登録をしましょう」
「なぜにシステムマスター?そこはギルドマスターとかじゃないのか?」
ベルスが答える。
「だって、ここは小説の世界であり、ゲームの世界なんですから。当然でしょう!」
そうだった。ここは小説の中。周りの声をよく聞けば普通に分かる話だった。
まぁつべこべ言わずに行くとしよう。
「ようこそ!冒険者達の世界へ!!」
随分と元気のいいお姉さんだ。しかも結構でか…いや、何でもない。
「仲間の人が冒険者になりたくてここに来たんです。」
そういえば、ベルスも一応冒険者なのかな?あとで聞いてみることにしよう。
「そうですか!なりたいのはそちらの方ですね!?」
胸をゆらしながら思い切り指を指される
「あ、はいそうです。」
「では、なるためのテストを致しますので私に付いてきてください!」
テスト?そんなものがこの世界にはあるのか。まぁお決まりといえばお決まりだけど。
「頑張ってください!雄大さん!」
ベルスがこっちを向いて応援してくれている。その期待を裏切らないように、しっかりとテストを受ける様にしよう。
「おう!頑張るぜ!」