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08 ブレイクスルーです。

 パーティー結成4日目の朝、俺は素早く準備を整えた。俺とフルルの服を洗濯屋に出して市場で朝食と弁当と念の為非常食を何日か分買い、武器屋に再度顔を出しナイフを一本買った。そして最近通っている荒野エリアに進入する。

  早く試したくて仕方がない。


「よし! スタート!」


 別に口に出す必要なんてないけど、景気付けってやつだ。やばいくらいにテンションが高い。ちょっと冷静になれないぐらいだ。


「1号見参!」

「2号も見参!」


 俺のコピーが二人、ビシッとポーズをつけて現れた。


「………………」


 自分のコピーがカッコつけたポーズで出現とか……。

 うん、なんかスゲーテンション下がった。

 

 冷静になった俺は分身たちに竹槍を持たせ先行させた。今日は本格的にゴブリンを狩る気なんだが、実は荒野エリアはエンカウント率がかなり低い。だから不人気エリアと呼ばれているのだが、要するに戦いたいのに敵がいないんだ。いっそ人気エリアで狩りをしようかと思ったが、即座に止めた。

 なのでちょっと冒険する事にした。エリア内のゲートを通過してセカンドエリアに進むのだ。

 俺たちは、ゲートを一直線に目指した。

 途中、ゴブリンには出会わなかった。その代りに4人組みのパーティーとすれ違った。たぶん、俺たちの向かっているエリアからの帰還者だろう。

 格好から推察するに、戦士、戦士、魔術師、治癒師の四人組み。後衛一人に前衛一人を付けるオーソドックスなスタイルだ。

 特別、話す事もないので、会釈して通り過ぎようとしたら、あちらさんは竹槍を見て、同じ顔が3人いる事に気付いて、「ええ竹槍⁉︎」だの「三つ子⁉︎」と言った声が漏れてきた。

 あんまり愉快でもないが、怒るほどの事でもない。そもそも、自分達がオーソドックスとは程遠いパーティーだと言う事は自覚している。ただまあ、やっぱり人気エリアに行きたいとは思わないけどな。

 その後は何もなくゲートまでたどり着いた。

 即座に入ろうとはせずに、みんなに・・というかフルルにこれからの方針を伝える。


「この先はセカンドエリア、通称ゴブリン迷宮だ。 名前の通りゴブリンがわんさか出るし、構造は入り組んだ迷宮になっている。何より奥にはキングゴブリンがボスとして君臨している」

「はい」


 フルルが青い顔で頷いた。

 この先のエリアはダンジョン型エリアの典型で次のエリアに進むゲートは存在していない。代わりにボスモンスターと呼ばれる個体が存在している。ボスは強力ではあるが経験値は高いし必ず高価な魔石を落とすので、腕に自信がある冒険者は好んで挑む。もちろんそのまま死ぬやつもたくさんいる。


「大丈夫だ。キングに挑もうと考えている訳じゃない。迷宮の奥まで進むつもりもない。手前の方でゴブリンを狩るだけだ。じゃあ行こうか」

「はい」


 そして俺たちは分身を先に行かせて安全を確認してからゲートを潜り抜けた。

 余談だが、荒野のゴブリン迷宮の世間一般の推奨攻略レベルは四人パーティーならレベル6以上と言われている。もちろん、勝算はあるからやってきたんだが、結構な冒険だったりする。

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