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31 レベル10です。

 ステータス

 ヒビキ=ルマトール

 無限術士Lv 10

 闘気 0

 魔力 156/200

 スキル 分身召喚(最大召喚数 10)

 選択スキル

 武具召喚

 分身召喚数倍化


「うーん…………」


 ついにレベルが二桁に上がった自分のステータスを見ながら、俺は唸っていた。

 何を悩んでいるかといえば。選択スキルをどちらにするかという事だ。

 職業ごとに違いはあれどレベルアップ時に選択スキルという項目が現れる時がある。無限術師ならレベル10になると選択スキルが現れるとされていた。

 この選択スキルは文字通りどちらのスキルを取得するか選ぶことが出来るのだが、選択スキルはどちらも強力なスキルなので冒険者たちは迷い、悩み、苦しむのだ。

 実際、どちらも魅力的だ。

 武具召喚は、自身が触れている武器や防具を24時間コピーできるらしい。分身召喚数倍化は、これはもう文字通りとしか言えないだろう。

 

「どっちも欲しいな……」


 それが本音だった。まあそれは無理だけど……。

 前々からどちらを取得するか考えてはあったんだけど、一度決めると後戻りはできない。慎重にもなるってもんだ。

 どちらにするか? 一応指針となるものはある。いや、ものではなく人なんだけどさ。

 無限術師ブロード=ランガー、もう何百年も前の故人なんだけど、無限術師の最高レベル到達記録15を達成した人だ。

 一般的にはほとんど無名、職業図書館の端っこの端っこにある無限術師のコーナーでしか見られない様な名前だ。

 記録によるとこの人は、ひたすらゴブリン狩りを何年も続けてレベル10になったらしい。そして選択スキルで武具召喚を選び、分身に武具を装備させてオークを狩ることに成功した、いわば、俺の前に無限術師はオークに勝てないということわざを覆したひとなのだが、レベル15の時にオークを相手に命を落としたことで、やはりオークには勝てないとケチがついた。

 で、レベル10まで辿りついた人がこの人だけなので分身召喚数倍化については未知数なのだが、武具召喚については詳細な記録を残してくれていた。

 なんでも、どんな武器でも盾でも鎧でも1ポイントで生成できるらしい。そしてブロードさんは高価で強力な武具を買い、複製したそれらを分身達に配る事でオークを倒したらしい。

 確かに強力なスキルではある。無限術師はその性質上武器や防具が山程いる。実際、俺もフルルに会う前は、いや出会ってからも武器を用意するのには多大な労力と金銭が必要だった。それが改善されるなら是非欲しいスキルではある。

 が、俺が取ろうと思っているのは召喚数倍化の方である。

 理由はやはり空間術師が仲間にいるという事が大きい。亜空間ボックスという保管庫があるおかげで、武具を持ち運ぶ苦労は大幅に削減している。金銭がかかるデメリットはあるが、人数が倍になるメリットの方が大きいと見ている。

 レベル10になってからは本格的にエリア探査を進めるつもりだが、人数は多いほど上手く進めるはずだ。

 なによりもロマンがある。分身達を指揮して戦う無限術師なのだ。指揮する分身が多いほど面白い。

 俺は深呼吸を繰り返してから、分身召喚数倍化を選んだ。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ステータス

 ヒビキ=ルマトール

 無限術士Lv 10

 闘気 0

 魔力 156/250

 スキル 分身召喚×10、分身召喚数倍化 (最大召喚数20)


 うん。予想通り召喚できる人数が倍になった。予想外だったのは魔力も上がった事だ。これに関してはラッキーだと思う。

 せっかくなので20人全員を召喚してみた。


「うわぁ」


 隣のフルルが驚いていた。

 俺も同じだ。20人が並ぶと結構なもんだ。

 それらを眺めながら、次なる目標を思い浮かべた。

 次の目標は中級冒険者になる事だ。エリアの中にはギルドが定めた中級冒険者からしか入れないエリア、上級冒険者からしか入れないエリアなどが存在している。そうやってランク分けする事で、無駄な犠牲を減らす事が目的だ。

 天位の座を目指すなら、中級、上級とランクを上げていく事は必須だ。

 そして、初級から中級に上がる為には、指定取得物とされている50種の中から30種をギルドに提出すればいい。

 例えば、オークの魔石や黒蠍の魔石は50種の中に入っていて、オークの魔石に関しては俺が冒険者ギルドに売り払った時点で提出したとして、冒険者カードに記録されている。

 明日からは中級冒険者になる為に指定取得物を手に入れる。その為に遠征もする。

 今日は街に戻って、明日の準備をしよう。


「そろそろ、ルーキーは卒業だ!」

「「「おおおおっ!」」」


 俺の宣言に分身達が答えた。


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