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真名解放の奴隷使い  作者: レルクス
責任の方位磁石編
25/200

第二十五話

 さて、ザウスフィード帝国に入ることに成功した。

 ちなみに関所にて。


----------------------------------

「あのー、すみません。ここを通りたいんですけど」

「えーと、名前は?」

「茅宮ミチヤです」

「あ、通っていいよ」

「え?」

----------------------------------

 こんな感じである。

 何かの陰謀が混ざっている気がするのだが、まあ今はいいとしよう。


「さて、帝国に来たわけだが、マスターは何か目的はあるのか?」


 イナーセルが聞いて来る。


「とりあえず奴隷購入」

「どこで!?」


 もっともな理由である。


「それに関してはちょっと地図買ってくる」


 関所なので売っているだろう。

 売ってました。金貨一枚です。ぼりすぎじゃね?


「えーと……一番近いのは、帝国最北の町、『ガンディラ』だな」

「どんな町なんだ?」

「付属情報では……人族が保有する七大難関ダンジョン『血濡れの聖杯(ブラッディ・カリス)』があるらしい」

「ネーミングセンスひどいな……」

「十五年前に挑んだ勇者パーティーがいまだに帰らないことで有名らしいな」

「それもうもはや自殺名所じゃね!?」


 イナーセル。ノリがいいな。


「ここに入るのか」

「そうだ。まあ、準備はするつもりだが」


 それに、何層あるのかは知らないが、クリアすれば、また何か進めそうな気がする。


「まあ、マスターが言うんならいいけど……」

「ということでガンディアの奴隷商で一番強い奴隷を購入しよう。ラシェスタあるかな」


 すでにこの時全員が『ありそうな気がする』と考えていた。

 フルーセの馬車に乗って約半日、ガンディアに到着する。


「おお、なかなか広いな」

「確かに」


 ダンジョンを保有する町は、ダンジョン専用の素材を手に入れやすい。

 結果的に、経済は潤うのだろう。

 さらに言うなら、帝国は実力主義、ダンジョンに挑むものが多いはずだ。


「ていうか、帝国には町しかないんだな。村とかないらしい」

「それはいいんだが、門番の審査が何か軽いんだよな……」

「多分ラシェスタがらみだ。門をくぐるたびに、メンバーカードがちょっと震えてる」

「ラシェスタって結構裏の商人って言うイメージがあるけど……大胆だな」


 ということで、裏道を探る。


「Welcome!」


 店に入った次の瞬間に言われたのがそれだった。

 しかも、店員の顔がまた一緒。


「……元気だな」

「ええ、ミチヤ様のおかげで、我々ラシェスタの景気は急上昇ですので」

「相変わらずの情報共有力だな。ぼりやがるだけの癖に……」

「商人ですので」

「そうだな……で、この店で扱っている一番強い奴隷を出してくれ。予算は問わない」

「お、この町のダンジョンに行くのですか?」

「そのつもりだが」

「なるほど、これは帰ってきたときの素材に期待できそうですね。少々お待ちを」


 店員は奥に引っ込んで行った。


「なあマスター。今回は何か不安なんだけど」

「今更だ」


 数秒後に、店員は奴隷を連れて来た。

 まず目立つのは緑色の髪だった。

 ミーティアには及ばないが豊満な胸をしている。

 見えている腕の筋肉はしなやかだった。

 そして、そのエメラルドのような目。そこには強いなにかが宿っている。

 騎士を思わせる雰囲気だった。

 耳がとんがっている。


「名前は『テラリア』で、種族はエルフです。レベルは255ですよ」

「「「「つえぇ」」」」


 ミチヤ、イナーセル、ヨシュア、ミラルドがハモった。

 一般からすればカンストレベルだ。


「今出せる最高の戦力でしょう。『血濡れの聖杯(ブラッディ・カリス)』に挑むには、これ以上ない戦力のはずです」


 ダンジョンの名前をきいた瞬間、テラリアの頬がピクリと動いた。


「まあそうだな。値段は?」

「そうですねぇ……白金貨三枚でどうでしょう」


 適正なのか、適正ではないのか、全然わからないな。


「まあいいだろう」


 ミチヤは白金貨を三枚渡した。


「ありがとうございます。それでは、こちらに記入をどうぞ」

「ほいほい」


 六回目だからな。普通になれた。


「書いたぞ」

「またのご利用をお待ちしております」

「……」


 あ、そうだった。忘れていた。


「忘れていたな。『ソレイユ』」


 次の瞬間、テラリアのそばから魔方陣が出現し、そのすべてが砕け散った。


「な……これは……」

「驚いているところ悪いが、行くぞ」


 ミチヤは歩き始める。

 他の奴隷がついてくるのを見て、テラリアも歩き始めた。

 そして、馬車に戻ってくる。


「さて、ちょっと戦力確認」


 ミチヤ   人族   レベル204 使用武器『魔砲拳銃』

 イナーセル オーガ  レベル244 使用武器『大剣』

 ヨシュア  ドワーフ レベル145 使用武器『魔砲拳銃』

 ミーティア 天使   レベル992 使用武器『レイピア』『全属性魔法』

 ミラルド  吸血鬼  レベル102 使用武器『短剣』

 タイダロス ベアー  レベル230 使用武器『ハルバード』

 テラリア  エルフ  レベル287 使用武器『騎士剣』『風属性魔法』


「って感じか」

「わかってはいたことだけどさ。ミーティアのレベルが異常なくらい高いよな」


 まあそれは仕方のないことである。


「うーん。なんか万能キャラが多いんだよなぁ。特化キャラが少ない。仕方ないけど」

「確かにな」

「そういや、テラリア、騎士剣というのは一体なんだ?」

「騎士剣は両手剣と大剣の中間に属する剣だ」

「ふむ……なるほど。ヨシュア、あとで作ってやれ」

「了解」


 ヨシュアが敬礼した。

 しかし、テラリアって、騎士と言うか武人というか、必要なこと以外喋らない性格なのかな。

 問題はないのでいいのだが……。


「しかし、ものの見事に全員種族が違うな」

「そうだな」


 狙っているわけではないのだが……。


「私が気になるのは、マスターのあの現象なのだが……」

「魔方陣が砕け散ったあれか。あれは俺にもよくわからん。まあ、レベルが255以上になっていることから、どんなものなのかは分かるだろ」

「はい」

「ま、今はそんな感じだと思っていて構わない。で、七人になったわけだが、いや、フルーセとコハクを含めれば九人か」


 ちなみにだが。


 フルーセ セアルハーグ レベル801 戦闘手段『蹴り』

 コハク  スライム   レベル 84 戦闘手段『溶解液』『触手』


 こんな感じだ。ゴメンね。比べてしまって。


「思えば、弱いメンバーはいないな」

「元々強かったりって言う部分もあると思うが、多分、俺が真名をいったタイミングから、レベルが上がるテンポが早くなっているんだと思う。ミーティアやフルーセが思った以上に上昇しているからな」


 テラリアの呟きに返す。

 まあ確かに、弱いメンバーはいない。

 というか、弱いメンバーがいる時点で七大難関ダンジョンとかいかない。


「ま、今日はちょっと時間があるからな。ちょっと町の外で肩慣らしして、夜に飯食って風呂はいって、明日の午前中に準備して、向かうとしよう」


 さて、まあ、ヨシュアが騎士剣を作ったのでそれをテラリアには使ってもらうとして、ちょっと町の外で色々確かめる。

 というか、ミチヤとしても、強いのは分かったが、その方向性がわからなかったのでちょうどいい。

 そして、晩御飯。

 テラリアは思ったより食べるタイプだった。

 そして、風呂。


「あんまり風呂って入ってなかったよな。俺ら」

「確かに」

「うむ」


 ミチヤとフルーセとタイダロスは男湯に入っていた。当然である。

 混浴?バカ言うな。


「そういえばコハクは?」

「女湯にいった。あいつは雌だ」

「そうだったな」


 イナーセル、大丈夫か?


「しかし、二人とも筋肉ヤバイな……」


 鬼と熊の筋肉は伊達ではなかった。

 二人とも恐ろしいほどだ。鎧みたい。


「まあ、種族的には、生まれつきって部分が多いけどな」

「オーガとかベアーって成長するとムキムキになるのか?」

「全員が全員そうではないがな」


 はぁ、しかし、種族の違いか……。


「なんていうか、すさまじい部分があるんだな」

「まあそうだな……」


 ミチヤは『ちょっと頑張れば上れそうな壁』をみた。


「どうしたんだ?マスター」

「いや、コハクってスライムだからな。温泉とかはいって大丈夫なのかなって、今さら心配になった」

「回りに迷惑にはならなかったはずだぞ。なあタイダロス」

「うむ。スライムの内部のコアは、自分の体積を正確に認識している。問題はない」

「それなら安全だな。さて、俺はもう十分だし、体も洗ったから出るよ」

「俺らはもうちょっとつかっていくぜ」

「のぼせないようにな」

「んなことするかよ」


 ミチヤは風呂から出ていった。


「なあタイダロス」

「どうした?」

「いや、オーガはそうでもないんだけどさ。人族の男って、女の裸に興味があるらしいんだが……」

「うむ、私もそのように認識している」

「マスターってそういう感じではないのかね?」

「まあ、人それぞれだろう」


 イナーセルもタイダロスも、容姿の優れた女性が人族の男にナンパされているところはよくみるのだが、ミチヤにはそういった様子は見られない。

 タイダロスの言うように、個人差ではある。

 が、ミチヤは禁欲的と言うわけではない。

 まあ、だからと言ってそれがあとのことに影響するのかどうか言われれば、まあ影響しそうだが、今はいいとした。


「俺らもあがるか」

「そうだな」


 イナーセルとタイダロスも風呂から上がるのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ミチヤたち男たちが旅館の和室で浴衣姿で待っていると、女性たちも浴衣を着て和室に入ってきた。


「ん。終わったか。思ったより早かったな」

「マスター、裏切り者」

「え、俺なんかやった?」


 ヨシュアが不服そうな目でミチヤを見る。


「まあ今はいいじゃねえか。そんなに裸を見られたかったのか?」


イナーセルが笑う。


「むむむむむむ」

「ん?ああ、覗きのことか」


 ミチヤもわかったようだ。


「その辺りどうなのですか?ご主人様」

「……興味があるのかないのかと聞かれれば……無いな」


 ないんかい!

 いろんな意味で妙な気分になる女性陣だった。

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