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ユキトとアルファナの森  作者: 利
一章 異世界転生
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カレル・ノゼグラフ

ユキト、小さいうちに死んだ爺ちゃんつけてくれた名前だ、幸せを歩くとかいてユキト、当て字だ。本当は歩はトなんて読まないが、将棋好きな爺ちゃんが、歩兵は成り上がるとト金になるだろうとわけわからんことを理由にユキトになったと聞かされた。何も知らない人はユキホなんて呼ぶし、それを聞かれて小学生の頃は女の名前なんてよくからかわれた。


まあ嫌いではないむしろ気に入っている。幸せを歩いているかは別として、いつかいい人生だったと思う日がきたらこの名前の通りに生きたことになるのだろうかと考えたこともある。

前の世界では幸せだったのか。死んですぐは奴隷狩りやら戦闘でそんなこと考える暇もなかったが、暗い森の中、シルフィーと名前を教え合った時、ふと考えてしまったのである。

残した家族、少ない友達、会社、本当に死んだのならば、泣いてくれているだろうか?泣いてくれているのであれば、爺ちゃんの名前の通りに生きたのかもしれないと思った時、鼻と目が熱くなるのを感じたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


シルフィーと名前を交わし、集団に付いていき森の奥へ奥へと進む。少しづつ裸足の感覚にも慣れ始め、月明かりのおかげと目が慣れ始めたのか視界も先程より良好になってきた。


あのリーダー少年のことだ。無計画に進んでいる訳ではないだろうと勝手な期待を寄せ、とりあえず今は付いていくことに専念するしかないと脚を動かす。

たまに集団がチラチラと警戒の目で俺の方を伺ってくる。


エルフと人間、大抵の物語では差別やら種族間の争いで仲が良い話はそう聞かない。おそらく、いや先程の奴隷狩りの件からして、種族間の関係が悪いのは確実だろう。

と、頭のファンタジー知識をフル活用し、この世界観を把握しようとする。


・・・ということは彼からしたら自分は敵ということになる。もしそうだとして、仮にこの集団から逃げたとする。が、一人でこの森を抜ける自信もない、抜けたとして、背中の焼印、もし人に見つかればおそらくは脱走奴隷とみなされ、また捕まるるのではないか。と何度も思考を巡らせる。

何度考えても、最終的にこの集団についていくしかないと繰り返しこの答えになるのだった。


第一に懸命に手を引いてくれるシルフィー、彼女の手を離そうなどとは微塵にも思えなかったのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どのくらい歩いただろうか。慣れてない若返って小さくなった身体、落ちている枝や石で脚の裏は小さなキズが付き、所々出血しているようだ。背中の焼印はまだ痛むが、幾分かマシにになってきた。が、未だに大きい動きをすればかなりの痛みが走る。


痛みと疲労、特に疲労については、この森の地形。森の奥に進むと次第に段差、斜面が激しくなり凸凹としたとした地形に変わっていた。

大きい段差を避けながら進んではいるが、歩いているよりも、段差を飛んで渡ったりよじ登ったり降ったりの方が多く、歩くにしても坂の上り下りが殆どだ。平地とは比べものにならないくらい足腰や体力に響く


「・・・キツい」


小声で弱音を吐く。一歩後ろにいるシルフィーを見れば彼女も確実な疲れている様子だ。他の子供達も同様、疲れの色が濃い。

奴隷狩りの追っ手が来るかもしれない。おそらくその心配がこの休憩のない状態になっているのだろう。


シルフィー、少し前まではユキトの手を取り半歩前を歩いていた。大きい段差の時も率先して先に登り、手を引いてくれていた彼女も疲れでユキトの一歩後ろを歩くに形になっている。ユキトも時折シルフィーを心配しながら振り返り、伝わらない言葉で大丈夫か?と聞く。すると彼女はその度に下がっていた視線を上げ微笑む。


「大丈夫・・・そうじゃないな」


自分より先に捕まり、馬車に揺られ、精神的にも弱ってないはずがない。そしてその次はあの戦闘、こんな小さい子にあまりに許容を超えた出来事だはずだ。だが、その後も言葉もわからないユキトを馬車では心配し落ち着かせ、手を引き、そして今回は満身創痍な状態にもかかわらず心配させまいと笑顔を作る彼女


「つえーな、おまえ」


十歳にも満たない見た目の彼女の意思に胸が熱くなる。その優しさと強さに尊敬してしまったのだ。そして自然と口にでた言葉。それを聞きシルフィーは首をかしげる。


「もうちょっと我慢してな」


そう言うとユキトはシルフィーと握った手を離す。その手で彼女の頭を優しく叩くと、前を歩く集団の横を早足で通る。行動をみせたユキトに警戒した後ろの二人が駆け寄る。二人が追いかけてきたのに気づくが、そんなことなど気にせずな、集団を通り過ぎリーダー少年に追いつく


「おい、リーダー」


決して大きくない声を、だが奴隷狩りから逃げている彼らにとっては恐ろしく大きい声に聞こえ、集団の数人は肩をビクつかせた。


言葉は通じないが、リーダー少年は自分が呼ばれたのと理解し立ち止まり振り返る。

遅れて後を追いかけてきた二人が、いつでも俺に対して行動できる距離に着く。


「さあ、どうしたもんか」


言葉も通じない彼らにどう伝えるか。伝えたとして人間の自分の意見を彼らは聞いてくれるのか。沢山の不安は残る。でも、気丈に振る舞う彼女を見て行動せずにはいられなかった。


「えーと、、そうだな・・・よし、ユキト、ユ、キ、ト!」


自分の名を手のひらを胸に当てながら発音良く自分の名を言う。その後に指をリーダー少年に向ける。リーダー少年は無言でユキトを睨む、明らかに警戒のしているようだ。

そのすぐ後にユキトの後ろから足音が聞こえる。心配になったのか、シルフィーが後ろで構える二人の間を通り抜け俺の隣に着く。


「お、丁度いい」


そしてもう一度、シルフィーも加えて先程の自己紹介、名前の交換を繰り返す。


「ユキト、シルフィー」


自分とシルフィーに指を向けながら名前をいい、最後にリーダー少年にむける。


シルフィーが来てくれたおかげだろうか。リーダー少年は一度溜息をつくと静かに答えた。


「・・・カレル」


「おし、カレル、だな」


カレルと名前を交換し、ユキトの本題に入る皆疲れている。このリーダー少年のことだ、それには気付いているだろう。しかしこのままじゃ皆に限界が来るのも時間の問題だ、俺も。追っ手が気になるのもわかるがここは少し休むべきだ。と言いたかっが通じる訳もない。

皆が疲れている。休もうと最小限のキーワードをジェスチャーや表情で表す。

すると、集団からクスっと笑い声が聞こえた。よほどジェスチャーが可笑しかったのだろうか。その方向を見れば、シルフィーよりも小さい女の子が、口に手を当て声を我慢しながら肩で笑っていたのだ。


「そんなに変か?」


頭をかきながら、不満そうに言う。いくら子供でもあのジェスチャーや表情を見られて笑われたら気恥ずかしい。


他の子供たちも笑いがあったせいか表情が楽になったのがわかる。カレルはそんな光景をみて、ため息をつく、そして周りを見渡し、警戒していた二人を呼び指示を出す。


二人は頷くと疲れているだろう身体に鞭を打ち、集団の進行方向へ、走っていった。

その後、皆に指示を出し、先を進む。


歩くペースを落として。


俺には、みんなもう少しだけ頑張ってくれ。そう言っているように聞こえた。


そして片方の手に先程まで握っていた慣れた感触が戻る。シルフィーと一回だけお互い目を合わせると集団の後を共に歩きだした。


しばらく経ってから、二人が戻ってくる。カレルに何かの報告しているのようだ、そのままは二人を先頭に歩きだすと、しばらくもしないうちにある場所に着く。


自分の背丈以上ある段差の窪み、集団が充分に入れそうなスペースがある。


周りを段差や倒れた樹が囲ってあるので、少し離れた位置からだと、この集団を見つけることはできないだろう。


やっと俺は休む場所を探してたのかの理解する。予想通りカレルが指示を出すと、そのスペースに皆が入りへたり込むように腰を付く。


「ふー、やっと休める」


「ユキト」


安堵したユキトにシルフィーが名前を呼ぶ。そのまま手を引き一緒に休もうと自分の横の地面をたたく。


この子俺のこと大好きなのか??と勘違いしそうになる。まあ美少女の隣なんてそうそう取れるもんじゃないしなと、


満更でもないように座る。そんな二人を眺めるカレル、ユキトも視線に気付きお互いの目がある。数秒だけ目を合わせるとカレルは視線をそらし、その場に寄りかかり、目を閉じた。


他の皆も眠りにつこうとしている。

仮眠、しばらくは休むのか。と予想していると、肩に重みがかかる。シルフィーが寄りかかっていた。一瞬心配したが、ただもう寝ていだけだということに気付き安堵する。この寝つき。この娘も限界だったのだろう。シルフィーの少し乱れた髪を整え、彼女を起こさないように楽な体勢を整えユキトも目を閉じたのだった。

こっから書き方変わると思います。

相変わらず文章下手ですがよろしくお願いします。アドバイスあれば是非是非

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