アデルの剣術指南2
目覚めるともう見慣れたエイフィアの部屋で俺は寝ていた。
「おはよう、大丈夫かい?」
横からエイフィアの声が聞こえ寝たまま顔を横に向ける。エイフィアは椅子に座り本を読んでいた。
「・・・えーと、どうなったの?」
アデルさんと、稽古してその次にシルフィーともするところまでは覚えている。
エイフィアは本を閉じると、椅子から立ちこちらに歩み寄る。
「もしかしてシルフィーにやられた?」
歩み寄るエイフィアにそう聞きながら上体を起こす。
「うん、どう気絶したから覚えてる?」
「うーん、、、分からん」
「シルフィーの剣を受けたのはいいけど、力が弱すぎで自分の剣ごと頭に直撃って感じかな」
「え、、まじかよ」
「まじまじ」
「うっわー、ダッセーな俺」
「うん、ダッサイ。あと、シルフィーに謝っといたほうがいいよ、非力すぎてごめんなさいって」
「ホント、申し訳ないっす」
自分の非力が起こしたことに羞恥を感じた。一緒にシルフィーに対する罪悪感が襲う。
「あいつ泣いてた?」
「そりゃもう、死んだかってくらい泣いてたよ」
慌てふためくシルフィーの姿が容易に想像できた。
「こんなの恥ずかしくてもう稽古でれねーよ」
「初日なんだからしょうがないさ」
エイフィアはそう励ましながら俺の背中を優しく叩いた。
頭は少し感じるが体は支障はない。ベットから降り、肩をほぐす。部屋の暗さからいってもう夜だろう。かなりの時間気を失っていたようだ。我ながら良く気を失う。
そのままスペースを見つけ腕を床につける。
「腕立て?」
「おう、今日から筋トレする」
「いい心がけだと思うよ」
再び本を読み始めたエイフィアの隣で俺は腕立てを始める
「1、2、3、4、5・・・・」
「ほらダメだよ、姿勢を固定して、腕もギリギリまで曲げないと」
横からエイフィアの指南が入る。
「6、7、8、9、10・・・やば、もう限界」
「流石に早いよそれ」
そのまま床にへばりつく、こんなにも筋力がないとは・・・・情けない、
「・・・・うるへー」
筋トレ初日、今日はこのくらいでいいか