表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

出発

「 お前ら、やりたいことがないんならインドにいけ。」




ごみ箱みたいな汚い部屋で寝転びながらDVDを見てるとき、

脇役のニートのじいちゃんが、ニートの若者達にそう言ったのを聞いて、

なぜか画面に釘付けになった。


そのニートのじいちゃんは行ったことないくせに、

暇なうちにインドに行っとけって熱弁していた。


俺はそのじいちゃんの必死な様をみて、

ただの映画やってわかってながらも

なぜか強く思った。



( じいちゃん、おれ、インド行くわ。 )



前に仕事を辞めてからというもの

半年ぐらい引きこもってたから、

行動力が低下しまくってるのを自覚していた俺は、

とりあえず飛行機のチケットだけ取ってしまって

それから予定を決めることにした。



出発は二週間後。



それまでにできる限りのことを調べて、

できるだけ準備を整える!!!予定やったけど、

時間の使い方が下手すきぎて

パスポートとビザを取って

銀行のカードを作ることしか出来ずに

前日になってしまった。



ま、まあ、インドにも人が住んでるわけやし、

物価も安そうやし、要るもんはインドで買えばいっか。




なんとかなる。




シャーマンキ○グの主人公の言葉を思い出して、

そう思い込むことにした。


そして3日分の着替えと、i-podとイヤホン、歯ブラシセットを

高校のときに使ってたリュックにつめこんで出発した。

 

飛行機に乗って

しばらくして、CAが食事を配りだした。

俺の横まで来たCAが、慣れた感じで聞いてくる。




「 チキン オア カリー? 」




おおおー!早くも選択肢の中にカレーが入ってる!!

でもインドに着いたら、嫌でもカレーを食べるしかなさそうやし、

カレーはインドに着いてからでいいや


と思ってチキンを頼んだ。

ちゃちい器が何個か乗ってるおぼんを受け取る。

いかにもメインって感じの、アルミの包みをあけて一瞬、時が止まった。




こ、これは、チキンカレー?




そう、渡されたものは、どこからどうみてもチキンカレーやった。

もうインドは始まってる。



飛行機に乗ってから、到着まで12時間ぐらい、

時差のせいで、細かい時間は分からんけど、

とにかく長い時間、寝たり、寝たふりをしたりして時間をつぶした。



あの時こうしてたら今ごろこうなってたのになーとかの

妄想ごっこをしてる間に、

ついに飛行機はインドの首都、デリーの空港に着いた。

時計の針は、現地時間で夜の10時を指していた。

飛行機から降りて、空港に降り立った感想は、



くさ。



スパイスと汗の臭いが、

むわっとまとわりつくような感じがする。


預けていたリュックを受け取って、

一緒の飛行機に、何人か日本人の旅行者がいるのを見て、

ちょっとだけ安心してから、ゲートに向かう。

そして、自動ドアの向こう側に足を踏み入れた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ