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青の瞳
彼女は、僕の光だった。
黒い髪に褐色の肌。不吉な色を持つ僕は、幼い頃から周囲と孤立していた。ずっと一人で遊んでいた僕に、唯一声をかけてくれたのが彼女だった。
白く透き通った肌に金色の髪。僕とは反対の色彩を持つ彼女は、周囲とかけ離れて美しく、一目で恋に落ちた。
大きな青い瞳に見つめられ、彼女が微笑むと、思わず僕にも笑みがこぼれた。
彼女と共に過ごし、成長し、彼女を想う気持ちは日に日に強くなっていった。
病弱な彼女を娶ることに両親は反対したが、何日も説得してついに了承を得ることができた。
「ル…ミエー…ル…」
真夏の太陽が、じりじりと地面を照りつける。内臓が煮えたぎるほど暑いはずなのに、寒い。周囲の音が遠ざかり、色彩が失われていく。
最後に見えた色は、涙をたたえた彼女の青い瞳だった。
愛してる
そう伝えたいのに、出てくるのは声にもならない掠れたもので、僕は何度もその言葉を繰り返し心の中で唱え続け、ついに伝えることはできずに、暗い意識に呑み込まれていった。