第四話 臭くてもイケメン
おおおおおおおお…!
水浴びする姿もイケてるねピースケさん!
意外と筋肉質でモリモリしてる。着痩せするタイプだったんだねー。
私がケロケロっとリバースしちゃったので川辺に来ています。
ピースケさんは私を降ろすと同時に走りながら上半身に着ていた物を脱いで小さな滝へダイブしたのです。
こりゃ隠し撮りして売りさばけるよ!!
でも背中に私がケロケロしちゃった物が付いてるから台無しだね…。
いやいや、ズームで顔だけならいけるっ。
鞄から携帯取りたい…っ。
「何をしている」
はっ。
ピースケさんを隠し撮りしようと思ってましたとか…言ったらまずいよね。
「私がケロケロしちゃって悪いから服くらい洗おうと思うんだけどぐるぐる巻きで…」
「成る程。では洗ってもらおうか」
あ、縄解いてくれた。
ピースケさん縛るのが趣味な人じゃなかったのね。
危うくそういう人かと思っちゃうとこだったよ。
「何を呆けているんだ。手を動かせ」
「はーい」
この服も…クンクン…臭くなっちゃったね。
その下のジャラジャラした鉄の服みたいなのは洗い流せば大丈夫っぽいけど。
強くて良い生地っぽいのに布ものは石けんじゃないとだめだね。
「ごめんね、ピースケさん」
背中にケロケロしちゃったのは申し訳なさすぎる…。
「いや。私も乗せ方が悪かった。さっきから気になるのだが、ピースケさんとはなんだ?」
「あなたのあだ名だよ」
「あだ名?……ハハハハッ!そんなもの初めて付けられたぞ」
おお、笑うとキラキラが増すね!
しまった!今の写メるチャンスだったんじゃない?!
「え?そういうの付けられたこと無いの?!」
「名と全く関係の無いものは付かないな。そんな変な呼び名は犬や鳥に名を付ける時ぐらいだ」
私で言う所のミドリ=ミドちゃん(母呼び)とか、ミッキー=ミックとかかな?
「へー。じゃ、ピースケさんはなんて呼ばれてるの?」
「私は………無い」
「えー?!その言い方絶対隠してるでしょ!教えてくれたらその名前で呼ぶのになんでー?!」
一瞬”はっ!”って真顔に戻ってしまったみたいな顔されたら百パーセント黒だよ黒!
「無いと言ったら無いんだ!」
あ、ちょっと語尾が崩れた。
聞こえるよ!ピースケさんとの仲良しポイント上がった音が!!!
「ふふふ…」
「もういい、そろそろ行くぞ!」
「はーい」
また担がれるのね。よし、来い!……あれ?おしりと背中が温かい?
「わわっ。私ってば馬に乗ってる?!」
「そうだぞ。また吐かれてはたまらないからな」
ピースケさんが私の後ろから喋った。
おお、私乗せられているのか。
待遇改善ってやつだね。
「暴れるなよ。馬から落ちたらただじゃ済まないからな」
そう言うなり、ピースケさんは馬を走らせ始めた。
すっごいスピードだ。おしりちょっと痛いけど、森の中をびゅんびゅん風になって走ってるみたいできもちいいー!
くんくん。あれ?私風上にいるはずなのに…。
やっぱり水洗いだけじゃ…
「ピースケさんちょっと臭うね…」
「誰のせいだ!!」




