第三話 「ふ」から始まる出来事2
+++”ふ”から始まる出来事2+++
不思議の国のお嬢さんが如く
「…みくじの解説かえ…?」
「はい!このおみくじの意味、教えて欲しいんです!」
できたらついでに私の不運癖も祓っておじいちゃん神主さん!
「はて、あったかのぅ…?」
「どーしても知りたいの。お願いします!」
「ん〜…ちょっと待っててな」
「はーい」
あらら、おじいちゃん神主さん大丈夫かな?
せっかく神社にいるんだし拝んどけばどうにかなるよね。
奮発して百円だしとこ!
なんか怪しい感じだけど何としてでも探し出してくれますようにっ。ぱんぱん。
うん、これで大丈夫。
ここの神社山の上にしては広いなー。
木ももっさもさ生えてるし鳥居も階段にびっしり。
空気もおいしいし、神様って良い所に住んでるよね。
ん!あれって…
「わー、大っきい!桜の木かな?」
葉っぱがあると木って大体一緒に見えちゃうからわかんないけど、多分そう。
木陰が涼しいなー。
「すっごい根っこだねー。何歳なのかな?」
私が十人くらいで手を伸ばしてようやく幹一周分計ることができそう。
根っこもその辺の木ぐらいの太さがあってモリモリしてる。
それにしめ縄も巻かれちゃってなんだかあれに似てるよね。あれ。
えっと名前なんだっけ?
「よ………横綱、そう横綱!」
うんうん。とってもマッチした名前だね!
「横綱さんちょっと座らせてもらいますよ、っこいしょ」
なかなかの座り心地。
「あとはかわいい小動物でも居たらファンタジーな雰囲気増すんだけどなー」
ま、和風な神社には無いよね…って居た!
リスだ!リス!
しっぽふさふさで超かわいいよ!何かもちゃもちゃ食べてるっ。
「おいでおいで〜」
あ、こっち見た!
「ミドリさんの飴ちゃんたべる?」
おお、こっち来た!なんて警戒心のないリス!
「えっと、イチゴ味なんだけど大丈夫?」
頷いた?!………あれ?何回も頷いてる。
奈良の鹿状態だ。キミ、なかなか食料得る方法わかってるね。
「はいどうぞ」
「ありがとう」
「いえいえ。むしろ木の実とかじゃなくてごめん…ね?…喋った?!」
あ、行っちゃう!
「待って、今喋ったよね!?」
せめてムービー撮らせて!
絶対、奇跡の映像になるから!!
「わっ!?」
こんないいとこで根っこに躓いちゃうとかさすが私。
ほら、もう根っこの間に顔面から行っちゃう感じだけど…ん?
穴?!
「わ、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
こ、これはまるで不思議の国へ行かれたお嬢さんの状況?!
ははは、いくらリスが喋ったかもしれないからってここは現実だぜ、私。
待ってるのは穴の底だよ…って
「それも嫌ぁぁぁぁぁーーーー!!!」
待って、タイムタイムタイム!
とりあえず受け身だ。こんな感じだっけ?!
でもこれだけ長い間落ちてたら役に立ちそうにない!
ありえないよーーー!!!
あ、なんか見える。アレ地面かも。
ん止まった?浮いてる?!
え、また落ちてる!?
「へぶしっ!」
ふ、不意打ち………泣
「あいたたた…」
あぁ、重力怖…。
でも生きてて良かった体も動くしね。
「貴様、何者だ!?」
「え?!」
人、人が居る?!しかもイケメンの外人さん?!
「あなたも落っこちたんですか?」
ぷぷぷ、不運仲間がこんなところに。
落っこちて恥ずかしいとか思ったけど、一人じゃないってこんなに心強いものなんだね。
顔がにやけちゃうよ。
後であのおじいちゃん神主さんに文句言わなきゃね。
「は?そこの木の中から落ちてきたのは貴様だろう」
…ん?
なに言ってるの?
あぁ、な・る・ほ・ど、ね〜。
「恥ずかしがらなくてもいいですよ。私も上の穴から…あれ?」
きれいな青いそら………空?!
あれあれ?
それになんか、ここ森っぽくてめちゃめちゃ広くないかな…?
「ここ神社の桜の根っこの中じゃ…?」
「何を言っている。ここはウィフル国の西外れの森だ」
「うぃ…ふ…る国?」
なんじゃそれ。ファンタジーなネーミング。
「ああ、ウィフルだ」
「嘘言わないでくださいよ。ここが地球の日本って事くらいは私分かってるんですから。もー、下手な冗談はやめてくださいよ〜」
ぺちぺち。
まったくまったくー。真顔で冗談いうなんていけず〜なんだから。
ミドリさんはお見通しだぞ☆
「冗談など言ってはいない。ここは正真正銘ウィフル国だ」
「…は?」
で、最初のやり取りに戻るんだけどね。
私は今なぜか狩られた獲物みたく縛り上げられて、ピース感の足りないピースケさんの片にぴょいと担がれて拐われて森の中を進んでいるんだけど…うぷっ。
馬って揺れるんだね…。
「おぇ…吐きそ…」
「…?!おい待て、やめろ!私の背に吐くな!!」




