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なんでもいい 何か一言だけでも感想をください


 

 

 佐藤塔矢が密封された部屋で唸りながら寝ていたとき、家から離れた場所で一つの動く影が塀へと映し出されていた。

 何かがいる場所にはすでに、車も通ってはおらず、人が歩いているような気配もない。

 影の持ち主は、電柱に一つ一つ取り付けられているライトのよって、映し出された。

 それは、十歳を超えたぐらいの、小柄な女の子で髪は茶髪で長く、何かから逃げるように走っていた。

 走っている道は大型車が一台やっと、通れるほどの幅で、周りには一軒家が密集している。

 女の子のひたいからは汗が流れ、足はがたがたに震えており、何度か後ろを確認して、何以下を警戒しているみたいであった。後ろには何もけはいを感じないと思ったのか、一番近くにあった電柱に体を預けるようにして座った。それと同時に、力は抜け道に寝そべった。かなりの時間、逃げていたからか、服はところどころ切れ、靴底はかなり削れすり減っている。少し道に横になっていたが、上半身を起こし、夜の住宅街へと一度、深呼吸をした。震える肩の力を抜き、震える足を叩きながら電柱に力を借り、立ち上がる。

 「はぁ・ ・ ・ ・ はぁ・ ・ ・ ・逃げないと・ ・ ・ ・あれから逃げないと、はぁ、はぁ、 もっと遠くへ、見つからない場所へ。」

 女の子は、後ろをもう一度確認すると、何かを感じたのか、重い足を夜の道へ一歩、歩き出し始めた。少しずつテンポを上げると、休む前とあまり変わらない速さでまた走り出す。進む道は、人があまり通ることのない塀と塀の間に作られた道を進んでいく。まるで、相手を翻弄させ時間稼ぎをするかのように。

 後ろには誰もいなかったはずだった。女の子が確認したときは肉眼で見ることのできない場所にいたのだから。

女の子を追うものは、道には立っておらず、電柱の後ろに隠れていたわけでもない。しかし、後ろにはいた。そこは、地面の下にあり、そこには一人の女が立っていた。その女は、現代の人があまり好んで着ない真っ黒のドレスで身を包んでいる。顔はまだ幼さが残っており、まだ二十歳前後ぐらいの年だ。

 無表情だった女の顔は、少しずつ口元が上がっていき笑っている表情をつくり出す。

 「み~つけた。あんまり手間かけさせないでね。私たちの大切な人材なんだから。そんなに走ってると体力無くなって、命削ってるのと一緒だよ。そんなことされるとこっちが困るんだけど・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ まあ、いいか見つけたんだし。早くこっちにおいで、新世界の要。」

 その女は、下水道の中を移動しながらちゃくちゃくと、体力が残り少ない少女を追い詰めて行った。

ありがとね また続き読んでね

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