詩: 知らんぷりな モンブラン
掲載日:2026/05/10
「向いてないんじゃない?」
同僚の何気ないひと言が
思いのほか深く沈んで
わたしを落ち込ませました
仕事の帰り道
まっすぐ家に帰る気になれなくて
駅前のカフェに逃げ込みました
何か甘いものを口にすれば
胸の奥の重みが
軽くなる気がしたのです
運ばれてきたモンブランは
わたしの落ち込みなんて知らない顔で
堂々とした たたずまい
フォークを入れ 口に含むと
栗の香りがふわりと広がり
甘すぎない甘さが
甘すぎるわたしを慰めました
モンブランに
愚痴を聞いてもらうわけにもいかないし
わたしは自分で立ち上がらなくちゃね
そうでしょ
知らんぷりな モンブラン




