この世界で生きていく
この世界で生きていく。
それしか方法がない。だから、生きるしかなくて、死んでしまう勇気もなくて、仕方ないから生きていく。
どうしようもないかもしれないけど、生きるしかない。大好きな人がいるから、例え嫌われたとしても、生きるしかない。
辛いかも知れなくても、生きたいと思う。
最初に会ったのは、新入社員として来た時だった。
「初めまして、これからお世話になります。」
礼儀正しくて、丁寧な子だと思った。
その後、教育係になることもなくて、関わることなく過ごしてたけど、【後輩】が5年目になった時、業務入れ替えがあったんだけど。。。
一緒にチームを組むことになった。どうしても、最初の新入社員時代の印象しかないから、どんな子か、興味もなくて話してないから、知らなかった。私も人見知りだから、話すこともなくて、このまま関わらない人種だとも思ってた。
どんな嫌味な人でも、難しい人にもスッと入って仕事をしているから、何でもそつなくこなすコミュニケーションお化け、陽の気が強いコだと思ってた。
一緒に仕事してると、確かにそつがなく、全てを上手くやってるように見えるんだけど、やっぱり100%って訳でもなくて、お茶目な所もわかって。皆んなに愛される理由もわかって、いい子だなって、わかった。
「ここさ、仕様変えてほしくて、ごめんね、折角ここまでしてくれたのに、急に変えて。なんとか、手伝ってほしいんだけど」
「全然、大丈夫です。一緒に仕事をしてるので、ここで変えたいっていうのもわかりますので、手伝います。あ、今日は予定あったので、明日、頑張ります」ムンって、気合い入れていう姿、可愛いなって思った。この子、いい子なんだって、身をもって知ったよ。
大好きだなって、思ったんだけど、それは絶対伝えちゃダメなやつだって、思って働いてた。
だけど、次の年に、私の昇格がわかって、
「おめでとうございます。明日からは【先輩】じゃなくて、【上司】ですね」
って、言われたのがショックだった。やっぱり、先輩、仕事上の付き合いでしかなかったんだなって。飲み会でも、あれだけ喋ったり、なんなら、買い物行こうかなって、ここ行きたかったんです、一緒にどうですか?って言ってたのも社交辞令だったんだなって、悲しくなった。
でも、きっと、違うって思って、「今度一緒に出かけない?」って誘ったら「食事ですか?近くなら大丈夫ですが、遠くだと、時間もかかるので…」
あ、断るための言葉考えてるなって思ったから、「うん、近くで一緒に食べたくて」って言い換えた。
そしたら、「それなら、明日どうですか?」って変わらないフットワークの軽さなのに、早く終わらせたいって伝わって、悲しかった。
「上司ですけど、先輩は変わりませんね」
食事の時、言われたこの言葉、ちょっと嬉しかったんだけど、やっぱり壁を感じてその後また寂しくなって、苦笑いするしかなくて。すぐにまた一緒に遊びに誘いたくなったんだけど、【上司】だから、気楽に誘えなくて悲しくなった。
だから、じゃないんだけど、ドンドン去年の終わりから、綺麗にアクセサリーとか、服装とか、仕事の合間で変わっていく貴女が、眩しくて美しくて、あぁ、好きだなって思ったんだけど、ダメだ私のためなんかじゃないんだから、「最近、心境に変化あった?」なんて、軽口で言うだけしかできなくて、「はは、どうでしょうね?」って返されて、苦しかった。
もう、来年にはまた業務入れ替え、起きる時期が迫ってて、苦しいなって、思っても、彼女の業績考えたら、「次」がある時だなって、また悲しくなって。
でも、そんなこと本人にも誰にも言えなくて、このまま【上司と部下】で終わるんだなって、あぁ、仕方ない、私の気持ちと関係なくて、世界はそれでも回るから、なんて、当たり前のことを当たり前みたいに嘯いて、また、仕事を続けてくだけ、なんて。
【先輩】は気づくのだろうかって、気になって、だけど今は【上司】になって、それなら、自分磨きで気づいて貰おうかって思ってみたのに、全然触れてこない。
それどころか、食事にしか誘ってくれなくなって、やっぱり【上司と部下】って、それだけの関係だったんだなって、悲しくなったけど、私は、先輩と同性だから、そうだよね、何かに気づかれるなんて、あり得ない。
これも、やっぱりただの通過儀礼でしかないんだなって、先輩が【上司】になって、態度も変わって働くなんて、仕事じゃ当たり前、まして同性なんだから、そんなもの、なんだよねって。
あぁ、こんな、好きな人を好きと言えない世界でも、生きていくしかないのかなって。
仕方ないけど、この世界で生きるしかない。
初めて書いてみました。なんか、ノリで。
批評等、教えていただけますと、精進します。




