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一部イベント特効ゲーマーの行くVRMMO  作者: みなかみしょう


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第53話:SNS&掲示板&ゴシックP(イベント後)


~とあるSNSにて~


【メガネスキー13世】[フォロー:1301 フォロワー:1025]

 皆さん、イベントお疲れ様!

 俺も大変だったぜ。シュリアさんと同僚の手伝いをしてたら、なんか悪いことしてる奴らに鉢合わせてな。

 おかげで魔力砲のチャージに貢献できたが。

 [RP:387 Good:1044]


【メガネスキー13世】[フォロー:1301 フォロワー:1038]

 ちなみにシュリアさんは今回の件でモリス・ルクスに異動が決まった。

 俺も引っ越し準備中だ。あと、街のメガネ屋に相談を受けたんで、素材採取なんかで忙しくなりそう。

 このゲームは面白いな!

 [RP:110 Good:687]


【ぽんぺ】[フォロー:354 フォロワー:128]

 @メガネスキー13世

 一人だけ別ゲーに突入してて草生える

 [RP:0 Good:38]


【アキラメロン】[フォロー:126 フォロワー:12]

 イベントお疲れ様でした。完全勝利で良かった!

 レベル10しかないのに、決戦兵器のイベント起動しちゃった時はどうしようかと思った……。

 [RP:1478 Good:3654]


【まるさんかくしかく】[フォロー:1259 フォロワー:2708]

 デカいキメラ、レイドボスとしては結構良かったね。

 うちは本体倒しての判定勝ちだったけど、他のサーバーはどうなんだろう。

 [RP:32 Good:584]


【フィーカ@三下系配信者】[フォロー:15 フォロワー:5764]

 私の参加したサーバーは完全勝利でした!

 現在、イベント戦闘丸わかり動画編集中! ご期待ください!

 でもモザイク編集が大変です!

 [RP:1656 Good:2044]


【備前正胸】[フォロー:432 フォロワー:329]

 キメラゴドンに取り付けなくて、街で魔力充填してただけだけど、結構経験値入ったわ。

 あと、知り合いが増えて助かった。

 [RP:0 Good:3]


【男の娘大好き! びょ!】[フォロー:37 フォロワー:2580]

 マキシマムハウスの中で助けてくれたビキニの人ありがとう!

 でも何でビキニなんだ?

 [RP:36 Good:174]


【炭炭】[フォロー:334 フォロワー:125]

 なんか、レベル低めの仲間が軒並みNPCと仲良くなってる。

 こっちのイベントもあったみたいね。画像は仲間がNPCにメイド服を着てもらったやつ。

 この後怒られてたわ。

 [RP:0 Good:26]


【㍉㌢】[フォロー:334 フォロワー:125]

 聞いてくれ! NPCのザベちゃんと今度海にいく約束した!

 イベント万歳! ところで海ってレベル15でもいける?

 [RP:0 Good:7]


【男の娘大好き! びょ!】[フォロー:37 フォロワー:2580]

@㍉㌢

 泳げそうな海岸はルクス山地抜けたところにありますよ。

 レベル50くらい必要だけど。

 [RP:0 Good:1]


【ヨウカンマン】[フォロー:58 フォロワー:888]

 ちょっとだけモリス・ルクスが復興してる! これもイベントの結果か?

 [RP:0 Good:3]



~とあるネット掲示板にて~


458:フルダイブ名無しさん

 さて、俺達の大勝利で終わったわけだが。

 イベント楽しかったか?


463:フルダイブ名無しさん

 まあ、ぼちぼちは。完全勝利報酬で手に入ったアイテムが意味不明だな。

 古びた金貨って、換金できないし。


478:フルダイブ名無しさん

 多分、後で交換できるんじゃないか?

 レイドバトルは細かいドロップもあったし悪くなかったよ。


499:ビキニンジャ

 拙者は楽しめたでござるよ! イザベル・オリジナル討伐組でござったが!

 屋内をビキニで駆け回る独特の開放感はようござった!


502:フルダイブ名無しさん

 オリジナル討伐は難易度高めだったけど、討伐率も高かったんだよな。

 運営の発表だと大体それで判定勝ちになってる。


506:フルダイブ名無しさん

 とにかくキメラゴドンが丈夫だったみたいだな。

 俺のとこも倒しきれなかった。


512:ろりばぁば大好き!

 動画で見たが、想像よりもキメラゴドンが頑丈に作られていたな。

 そもそも、決戦兵器が当たらなかったサーバーもあるみたいだ。

 事前の準備がいかに大事か学ぶ戦いだったよ。


516:フルダイブ名無しさん

 あ、ばぁばの人。オリジナルと戦った? 凄い美女だったけど、ロリババァじゃなくて残念だったね。


520:ろりばぁば大好き!

 ああ、残念だ。年齢以外すべてアウトだったので、切り捨てたよ。


526::フルダイブ名無しさん

 普通に強くて怖いな。味方でロリババァでてこないとそのうち敵になりそう。


533:フルダイブ名無しさん

 イベント通してNPCも動きがあったし、これは新展開来るんじゃないかね?


540:フルダイブ名無しさん

 可能性は高い。キメラゴドンの通った後もそのまんまだしな。



~イベント後のゴシックPの様子「飲んだくれ編」~


 都内にあるとある居酒屋。安くはないが高すぎもしない。店内は明るく清潔。気取った雰囲気がなく、客層も比較的落ち着いているため地味な人気店。

 そんなよくある場所で、一人の女性が荒れていた。


「トミオのやろう! なによあのスキル、ズルくない! 誰よ、最初に「プレイスタイルを解析して、程よいユニークスキルを付与しましょう」とか言い出したのは!」


 ビールのジョッキを強めに置きながら座った目で叫ぶゴシックP。

 対面にいる後輩女性は梅サワーを飲みながら、にこやかに答える。


「アイデアも開発も実装も先輩ですよ」

「あああああ! 過去の自分を殴りたい! ここまでピンポイントに私の嫌いなスキルを生み出すなんて!」

「でもユーザーからは好評でしたから。ネットでも良い感じにバズってますし、部長も喜んでましたよ」

「だからアンタは機嫌がいいんだ! ゲームの評判がいいから!」

「普通は喜ぶところだと思いますけどねぇ」


 後輩は上司のことをまるで気にせずタブレットで追加を注文にかかる。こういうのは初めてではないので対応は慣れている。ようはガス抜きなのだ。

 しかし、久しぶりの荒れ方ではある。開発中とは少し方向性も違うように感じた。

 それは、開発という社会人のあれこれではなく、ゲームにおけるイベントが関わっているからだろう。

 こうしてゲーム内の出来事に本気で怒れるゴシックPが、後輩は嫌いではなかった。それだけユーザーに近い心を持っているのだから。

 少なくとも、後輩はそれを失いつつある。商売として、運営側として、ゲームそのものへの適切な距離感を確保できるようになってしまった。

 遊んでいる時も、どこか客観的に分析する癖がついた。BWOの運営についても、これほどまでに自分のことのように怒り狂える自信はない。


「私はただ、プレイヤーがヒィヒィ苦しんだり喜んだりするのを見たいだけなのよ。それで、ちょっとした仕込みに気づかなかった時の反応を見たいのよ!」


 バクバクと厚揚げを食らうゴシックP。追加でやってきたハイボールを受け取るとゴクゴクと飲む。凄い勢いだ。こういう時、暴飲暴食の結果、「太った……」とこの世の終わりのような顔をして言ってくるのが恒例である。そして、その顔を見るのが後輩の楽しみでもあった。つまり、今日は良い日だ。


「しかし、トミオ君達、凄いですねぇ。全サーバー通して完全攻略は二つだけ。攻城兵器を用意した上でちゃんと運用してたのは彼らだけでした」

「昔からそうなのよね。ピンポイントに私のイベントに使えるのを用意してくる……。嫌いだわ」

「案外、会うと気があったりして」

「御免被る!」


 トン、とグラスを置いて次の注文を始めるゴシックP。

 実際に気が合うかはともかく、会って話しをしたらどうなるかは見たいなぁ。


 好奇心からくる率直な思いは口にせず、後輩は良い気分で自分の分を追加発注する。

 今日は良い日だ。ボーナス査定も良好になりそうだし。先輩の良い顔も見れた。


 若干悪い笑いを浮かべつつ、後輩は酔いが回ってふらつき始めたゴシックPを優しく見守るのだった。

 

 ゴシックPは翌日、二日酔いで休日を潰し、2キログラム太ったという。


お読み頂きありがとうございます!

今回で、第一部完となります!


本作は、エピソードを一つ書き終わってから投稿する形になりますので、

少々お待ち下さい。

※ステータスとかSNS回の整合性を取るため、書いた端から投稿が難しいのです……

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この後輩とはいい酒飲めそう
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