第四話
はっと目が覚めた。
「はぁ」と大きなため息をついた。
入るときにいた人はどうしたのだろうと思い、探してみることにした。
しかし、どこにもいなかった。
変な寝言を言ってたら困るし、一安心だ。
それにしても、懐かしい夢をみた。
あの出来事は高校一年生の時くらいのことだったと思う。
多分、三年ほど前のことだ。
俺は彼女のことが好きだったのだろう。
でないとあんなに感情的になったりしない。
仕方ないだろ。好きだったからいろんなことを相談してほしかったし。
男ならわかるだろ?と誰もいない部屋でブツブツ呟いていた。
時計を見ると7:00を指していた。汗をシャワーを浴びてから朝の講義の準備を始めた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そんなこんなで7月になっていた。
いつもの習慣になっている部室に行っている。
部屋に入ると今日は部長しかしなかった。
「お、直人じゃん」
「お疲れ様です、部長」
部室にはコンビニで買った袋があった。
「部長、もしかしてお昼からここにいたんですか?」
「そうなんだ。講義のやってる時間は音を出せないけど、練習しないと俺は下手になるんだよ」
三カ月くらい経ったので、少しくらい我儘を言っても許してもらえるだろうと思い、
「部長、僕ギターに興味あるので弾いてみてくださいよ」
「いいよ」
と言ってギターを弾き始めた。
俺は曲は好きなジャンル以外は聞かないから、分からなかったがとても上手だと感じた。
弾き終わってから
「すごいですね!!」
「ありがと。そうだ、今年の学祭でやるバンドなんだけど、
俺がギターとボーカルできないからボーカルやってよ」
と照れ臭そうに話題を変えるように提案してくれた。
学祭という響きに惹かれた俺は、
「いいんですか?!ぜひおねがいします!!」
と即答した。
「助かるよ。この曲を演るから練習しといてね」
と教えてくれた。
「あと、二か月あるから気楽にね」と言って部屋を出た。
 




