第十二話
解散したあと、理久から『ちょっとだけ時間があるか?』と連絡があった。
時間もあるし家に帰るには早かったから『いいよ』と快諾した。
理久に指定されたカフェでのんびりしている考え事していて気が付かなかったが、5分も経たないうちに来ていた。
「あんま、直人に余裕なさそうだから直球で聞くけど、中村のこと好きなの?」
「え?」
唐突にそんなことを聞かれたから俺は驚きのあまり口を開けたままにしてしまい、
飲み物がこぼれてしまった。
笑いながら、理久が
「驚きすぎだろ。因みに結構、分かりやすかったぜ」
とカラオケでの様子を教えてくれた。
一通り聞き終えてから
「マジか、、、」
「まぁな。歌いながら笑いをこらえるの大変だったんだぜ。俺は中村と付き合ってないし、付き合う予定もないから協力してほしいことがあれば教えてくれよ。俺の話は終わりだ。それじゃあな」
と言って颯爽と帰っていった。唖然としていたが
「俺も帰るか」
と呟いていた。
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家に着いてから、理久に言われたことを考えていた。
多分とかおそらくとかではなく、かなり好きだと言うことは確定だ。
どうすればいいのか悩んだ。悩みまくった。
ここ数日間のことを振り返ったりすると、
ずるずる考えるのはダメ・3回ほど遊んだ後に告白もズルズルいきそうなのでダメだという結論に行きつき、デートに誘ってその日に告白すると決めた。
決めてからは早かった。以前、行きたがっていた映画の上映日を調べて連絡をして
一週間後の土曜に二人で行く約束を取り付けた。




