静と死
プライドを捨てちまったカラスは言った
「太陽に近づくことに疲れた」と。
ただそこにあるゴミに目を向け、
電線が微かに揺れた
とても日差しが強い日だった
プライドを捨てちまったカラスは太陽に目をやった
「お前は皆んな平等に陽をあたえてくれるんだな。俺なんかにも」
周りに目をやると、皆んな生きていた
当たり前なことだが、そう思った
また太陽に近づいてみたくなった。
こんな俺でも風を強く受け止めたくなった
自分は純粋だと思うのと同時に、自分が少し好きになった
「まだ俺は本気になっちゃいない」
やるかそるか。じゃない
まだ見ぬ自分に逢いに行こう
電線が大きく揺れた