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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~  作者: epina
第五章 オーク退治

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78.エチカって実は最初からものすごく強かったんじゃないかな?

「さあ、オークの討伐部位を剥いじゃおう。ゴブリンと同じ右耳だよ。もうさすがに慣れてるでしょ?」

「うっ、そうよね。すぐにやらないと硬くなっちゃうし……」


 俺の指示で現実に引き戻されたエチカがげんなりした。


「シーチャ、エチカを手伝って」


 俺が目配せをするとシーチャが無言でうなずく。


「ディシアとレメリは勇者パーティ時代に剥ぎ取りをしたことはなかったよね? やり方を教えるから、ちょっとこっちに来てもらっていい?」

「え? ええ……」

「わかったのです」


 ディシアとレメリは釈然としない顔をしてたけど、おとなしく俺についてきてくれた。

 エチカとシーチャから離れて、オークの遺骸を三人で囲む。


「スラッド、どういうことなのです?」

「確かにわたしたちは素材の剥ぎ取りなんてしてこなかったけど、Bランクの試験には合格してるのよ? これぐらいできるわ」

「ごめん、それは口実で。ちょっと気になることがあるんだ」


 オークの討伐報酬の採取を始めながら、ちょっとした雑談をするようなノリで話しかけた。


「エチカって、俺が寝てる間はどんなふうに戦ってた?」

「どんなって……別に普通よ。弓と精霊で援護してくれてたわ」


 ディシアは何でもないことのように答えてくれたけど、レメリのほうは首を傾げた。


「でも、今回みたいな大活躍は初めてなのです」

「それはそうよ。前のときはアレスがいたもの」


 アレスは自分が一番活躍しないと気が済まなかったので、みんなは自然と彼の援護に回っていた。

 だからアレスと同行していたときのエチカも目立った活躍させてもらえなかったはずだ。


「でも、別にエチカの戦闘力は不自然じゃないんじゃないかしら? あなたの《全自動支援(フルオートバフ)》に加えて、わたしたちの強化魔法だってたくさんかけたじゃない」


 ディシアの言葉にレメリもこくこくと頷いている。


「確かにそうかもしれないけど、アレスだって強化魔法は受けてたよね? こう言っちゃなんだけど、エチカほどじゃなかったよ」

「……言われてみればそうなのです」


 俺の言葉にレメリが同意した。


「アレスは一撃で敵を倒してはいたけれど、それも聖剣の力が大きかったものね」


 ディシアの言うとおり、勇者の聖剣は瘴気で動くモンスターに対して強力な特効を持つ。

 今はセイウッド王国の金庫に保管されているけど、新たな勇者が見つかったらその手に渡るだろう。


「じゃあ、アレスが本当にものすっごく弱かったのです? たとえば新米のEランク冒険者並みの強さだったとかですか?」

「うーん。《全自動支援(フルオートバフ)》なしだと苦戦はするけど、アレスも一応戦えてはいたんだよね? Sランク相応じゃないってだけで、一応Cランクぐらいの戦闘力はあったんじゃないかな」


 レメリの思い付きを俺が遠回しに否定すると、ディシアが眉根を寄せた。


「わからないわね。スラッドは結局なにが言いたいわけ?」

「これは仮説なんだけど……エチカって実は最初からものすごく強かったんじゃないかな?」


 ディシアとレメリが目を見合わせたあと、今度はエチカのほうを見た。

 向こうでシーチャにからかわれながら、泣きそうな顔でオークの耳を削いでいる。

 シルフさんまで召喚されているのは、血臭を消してもらっているからだろう。

 

「……ちょっと信じられないわね。エチカって出会ったときはゴブリン退治もしたことのない新米だったんでしょ?」

「そうですそうです。森から出てきたばかりだったはずなのです」

「むしろ、だからなんだよね……すっごい昔の話になるけど、俺も初心者だったころにEランク同士の仲間といっしょにパーティを組んでたんだ。もちろん《全自動支援(フルオートバフ)》の効果は受けてたけど、その頃のみんなだって今のエチカほど強くなかった。少なくとも何年か経験を積むまではね」


 俺の話を聞いたレメリは、むしろあっけらかんと笑った。


「本当にエチカが強かったとして、何も問題ない気がするのです」

「そうよね。むしろ、いいことじゃないかしら? アレスみたいに調子に乗らないってことでしょう?」


 ディシアも同調する。

 アレスを引き合いに出されると納得させられそうになるのが怖い。


「まあ、そうなんだけど。なんだかエチカに申し訳ない気がして」


 今のエチカは自分の実力が、どの程度通用するのか知らない。

 だから、自分の活躍は全部俺の《全自動支援(フルオートバフ)》や強化魔法のおかげだと思っている。


「スラッドと一緒なのです。無自覚に強いのです」

「そんなに気にしなくたって、いずれエチカだって自分の成長を実感できる日が来るわよ」

「そうかなぁ」


 うーん、俺の考えすぎなのかな。

 あくまで俺の気持ちの問題だから、エチカに悪影響があるって話でもないし……。


「それより、今の話を聞いてとってもいいことを思いついたのです」


 なにやらドヤ顔を浮かべるレメリ。

 普段はあまり感情を表情に出さない彼女にしては珍しい。


「えっと、いいことって?」

「むふふ。スラッドの疑問と、スラッドの前衛問題を解決できる……一石二鳥の方法なのです」


 レ、レメリってこんな不穏な笑い方もするんだ。

 なんだか嫌な予感がするなぁ……。

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