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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~  作者: epina
第五章 オーク退治

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74.お探しの武器はこれかな?

「ぎゃあああああっ!!」

「あぢっ、あぢいいいー!!!」

「喉が焼け……息が……!!」


 大岩の陰から()()うの(てい)で出てくる、見るからに山賊な人たち。

 シーチャが言ってた人数には満たないけど、おそらく半分くらいはレメリの魔法で倒れている。


 【焦熱濃霧(ヒートフォッグ)】は本来なら肌の表面を焼く程度の霧を生み出す魔法だ。敵をあぶりだしたり行動阻害したりするのに使用する。

 だけど、《全自動支援(フルオートバフ)》を受けたレメリが使うと、吸い込んだ炎霧で肺が焼けて窒息しかける程度には凶悪な威力になるわけで。

 

「それじゃ、ボクとスラッドは橋を渡ってくる奴だけ相手にするから。みんなは逃げる奴だけテキトーに撃っちゃって」

「任せるのだわ!」


 エチカが短弓(ショートボウ)に複数の矢をつがえて放つ。


「ぐわっ!」

「ぎゃあ!」


 シルフさんの導きで風に乗った矢が山賊たちの足に次々と突き刺さり、逃亡を阻止した。


「ゲホゲホッ! クソッタレが! 野郎ども、続けー!」


 頭目と思しきスキンヘッドの男が三人ほど率いてこちらに向かってくる。

 逃げようとした山賊はエチカが仕留めたので、残る四人だけが橋を渡ってこようとしていた。


「【神聖鎧セイクリッド・アーマー】!」


 ディシアが鎧が重くて着られない俺のために防御魔法をかけてくれた。

 おかげでほんの少しだけ勇気が湧いてくる。


「じゃ、ボクが先行するから。スラッドは抜けちゃった分をよろしく!」

「わ、わかった!」


 シーチャが目にも止まらぬスピードで駆けだした。

 初の本格前衛デビューかぁ……緊張する!


「このチビ助がー!」

「こんにゃろう!」

「よっとぉ!」


 シーチャは斬りかかってきたふたりの背中をぴょんと跳び越えて宙返り。


「あ、あれ? 俺の剣は……?」

「俺の手斧もねえ!」

「お探しの武器はこれかな?」


 ニヤリと笑うシーチャの両手には、山賊の得物がそれぞれ納まっていた。

 義賊のクラススキル《盗品利用》によって、手斧も剣もシーチャが扱えるサイズにまで縮まっている。

 驚愕する山賊ふたりは武器を盗られてオロオロしていた。


「はっ、鎧も着てない兄ちゃんがよぉ!」

「死に晒せ!!」


 俺のほうにもふたり来た。

 ていうか、頭目っぽいガタイのいいスキンヘッドの男がこっち来てるんですけど!


「わわっと!」

 

 スキンヘッドさんのノロノロになった攻撃をおっかなびっくり避ける。

 《全自動弱体化(フルオートデバフ)》は老衰、筋力低下、速度低下などのさまざまな効果を対象に自覚されることなく及ぼす。

 そして、どんなに強そうな攻撃でも威力はゼロになるんだけど、やっぱり怖いからつい避けちゃう!


「もらった!」


 一発目を大きく避けたところに剣を当てられちゃった!

 デバフがあっても相手がひとりならともかく、複数だと避け続けるのは厳しいな。


「なっ、剣が弾かれた!?」


 俺を攻撃した山賊が驚いている。

 弾いたのは俺のデバフの効果じゃない。ディシアの防御魔法だ。


「やっぱり前衛は心臓に悪い!!」

 

 そんな叫びをあげながら、男に反撃を試みる。

 《投げ》のコモンスキルを使用して、背負い投げを敢行。

 橋の欄干(らんかん)に背中を叩きつけると、男は動かなくなった。


「さて、お(かしら)さん。もう君ひとりだけど、まだやる?」

「なっ、なんだと!? お前らもうやられたのか!」


 丸腰にされた山賊たちはシーチャに背を向けたまま両手を挙げ、膝立ちにさせられていた。


「ぐっ、なんだか知らんが体も重い……クソッ、降伏だ!!」

「はいはーい、大人しく魔法を受け入れてね。レメリ~」

「【強制睡眠(スリープ)】」


 最後に残った頭目もレメリに眠らされたことでデバフも解除される。

 こうして山賊との戦いはあっさりと決着したんだけど。 


「も、もう駄目……」


 全身に感じる疲労から、俺は橋の上で大の字になってしまうのだった。

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【悲報】生殺与奪の権を竜に握られた人類、竜国の使者を「田舎者」呼ばわりしてしまう ~俺は学院生活を楽しみたいだけだから気にしないけど、俺を溺愛する竜王族の姉は黙ってないかもしれません〜
― 新着の感想 ―
[気になる点] にやけるシーチャの両手には、山賊の得物がそれぞれ納まっていた。 にやける(若気る) 男性が女性のようになよなよとして色っぽい様子。 元々は鎌倉・室町時代頃に貴人の側に付き従って男色の…
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