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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~  作者: epina
第四章 勇者裁判

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50.これ以上は不安要素を投入しないでほしいのだわーっ!

「……まさか、と思ったわ。ベルクラフト陛下はアレスの要望を聞き入れて、裁判を決定したの。それでみんなも今は王城に呼ばれて、あなたもこうして……」

「なるほどね」


 俺やみんなが王城にいる理由はよくわかった。

 アレスの起死回生の一手が功を奏するかもしれないから、みんなどことなく不安そうな顔をしてたのか。 


「もちろんアレスの主張が通るだなんて思わないけど、裁判は三日後よ。たぶん、目覚めた以上はあなたも出廷を求められるわ」

「そうだろうね」


 裁判、か。

 うーん、王はどういうつもりなんだろう?


「に、人間の国のことはよくわからないのだわ……でも、大丈夫よね? 死刑になったりとか……」

「わたしは勇者パーティサイドだけど、みんなのことはきちんと守るわ。アレスの横暴を全部ぶちまけるつもり」


 不安がるエチカを安心させるように、ディシアが力強く宣言する。


「いいのです? そんなことをしたら、です。アレスは勇者として活動できなくなるかもです」

「そうね。でも、だからって――」

「いや、それはないよ」


 ディシアの言葉を(さえぎ)って、俺はレメリの危惧を否定した。


「アレスが勇者として活動できなくなる、その心配はない。むしろ、俺たちのほうがまずい立場に(さら)されるかもね」

「どっ、どういうこと!?」


 エチカが涙目になって叫んだ。


「ディシアとレメリは薄々感づいているかもしれないけど……アレスが半年間、何のお咎めもなくいろんな横暴を……例えば街の酒場で乱闘を起こしたりとか、貴族の屋敷で窃盗を働いたりとかしても投獄されないのは、アレスが勇者だからだよ」

「で、でもです。アレス、何度も衛兵にしょっぴかれたです。反省は促されてたのです」


 レメリが(わら)にもすがるような顔をする。


「うん。でも、それだけだ。アレスは牢屋行きにも、鉱山送りにもなってない。『勇者免罪』……アレスは自分の立場をよくわかった上で、今回の謁見(えっけん)を求めたんだと思う」


 少なくとも破れかぶれのやけっぱちではない。

 アレスは愚かだけど、保身に関してだけは知恵が回る。

 

「そういうことね……わたしが止めておくべきだったかしら?」

「いや、ディシアが止めてもアレスはひとりで謁見しただろうからね。むしろ、俺たちがわけもわからず王城に連行されなくて良かったと思うよ」


 わからないのは王の意図だ。

 はっきり言って、パーティ内のいざこざを裁判にする理由がわからない。

 アレスの望み通りにするだけなら、そのまま俺たちを牢屋に入れれば済むことだ。

 だけど、俺の部屋はあきらかに賓客用。

 これから問答無用で断罪される側の扱いじゃない。


 だからといって、逆にアレスを吊るし上げるメリットがあるとも思えないし……。


「アレスに裁判の取りやめをさせるにしても、接触を禁じられているのよね……」


 ディシアが腕組みして考え込んでいる。

 レメリはどうしたらいいのか、わからなそうな顔。

 エチカなんて今にも泣きそうで……。 


「……そういえば、なんでエチカまで王城にいるの?」

「ほえ?」


 エチカが変な声を出した。

 俺が言ってることの意味がわかってないみたいだ。


「俺たちは裁判で王城に召喚されたんでしょ。少なくとも、勇者パーティのごたごたにエチカは無関係だと思うんだけど」

「えっと、宿に兵士さんが来たときにスラッドの仲間って言ったら、一緒についてくるように言われたのだわ」


 レメリとディシアが意外そうな顔をした。


「レメリは一緒じゃなかったの?」

「そ、そうなのです。買い物をしてたのです。私は後から聞いたのです」

「そっか。エチカは出廷は求められた?」

「えっと、そういえば裁判で質問されたら答えてくれって言われたような……」

「それって証人じゃない!」


 ディシアが驚いてエチカの両肩を掴んで振り向かせた。


「だったら、ここにいたら駄目よ! わたしたちと口裏を合わせたと主張されたら証言能力を失うわ!」

「えーっ! じゃあ、あたしここにいちゃいけなかったの!?」

「でも、兵士さんには止められなかったのです」


 そうだよね。

 俺たちが接触しちゃいけないんだったら、そもそもこうやって俺たちが会話できてるわけがないんだ。

 個別の部屋を用意されて、最低でも軟禁されるはず。


 そう、まともな裁判をやるつもりなら……。


「ひょっとしたら……」

「ひーん! スラッド、これ以上は不安要素を投入しないでほしいのだわーっ!」


 エチカがすがりついてくる。

 正直、まだこの裁判の意図はこれっぽっちもわかってないんだけど……。


「この裁判は『勇者免罪』がないかもしれない」

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― 新着の感想 ―
[一言] あのゲームベースなら 証拠と怪しい証人もいるかな
[一言] いやいやスラッドさんや? あんたこっちくる前何したよ? その時、国王(笑)様もいたんでしょ? わかってていってるの? それとも何倒したかわかってないの?
[一言] 裁判、楽しいよね。 異議あり! くらえ! とか言って問いたい。問い詰めたい。
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