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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~  作者: epina
第二章 勇者追跡

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27.君のせいってわけじゃないし

 宿場町を越えて、さらに進む。

 アレスたちはここを通り抜けたらしいし、警備隊から話を聞けたから情報収集の必要はないだろうってシーチャが言ってた。

 この手の判断は盗賊職に従った方がいいから、そのまま馬を走らせる。


「エチカ、シルフの風を止めて!」


 平原に伸びる街道を走っている途中、先頭のシーチャが叫んだ。

 馬を止めて降りると、シーチャは俺たちを待つことなく街道の外に向かって駆け出していく。


「シーチャ、どうしたのかしら?」

「たぶん何か見つけたんだと思う」


 エチカと一緒にシーチャを追いかけた。

 しばらく走った先でシーチャが膝をついて地面に落ちている何かを見ている。

 真剣な表情だ。


「シーチャ! いったい何が……」


 走っている途中で、地面に落ちていたものの正体がはっきり見える。


 全身の血の気が引いた。


 シーチャのもとに全力で走る。

 頭の中にいろんな想像が駆け巡っていった。


「シーチャ!!」

「スラッド……」


 シーチャが神妙な面持ちで俺を出迎える。

 一度だけ俺の方を見てから、再び地面に視線を落とした。

 俺の目も『それ』にくぎ付けとなる。


「スラッド……これって」


 追いついてきたエチカも顔面蒼白だった。

 俺が拾い上げた『それ』に悪い何かを予感して。


「これは『魔女』の……レメリの帽子だ」


 落ちていたのは三角帽子。

 魔女レメリのトレードマークだ。

 帽子には大きな穴が空いていた。

 原型はかろうじて留めているが……。


「その人……ここにいないってことは、大丈夫なのよね?」


 エチカがおそるおそる聞いてくる。


「いや……レメリが無事だったら、お母さんの形見をここに置いていくはずがない」

「えっ! それって……」


 俺の返事を聞いたエチカが絶句する。


「……スラッド。少なくとも、このあたりにアレスたちはいない。モンスターの死体も見える範囲にはないし、みんなの足跡もこのあたりにはついてない」


 シーチャの無感情で理路整然とした事務的な報告。

 それを聞いて、俺は――


「……そうだね。きっと街道近くで戦いが起きて、帽子だけここまで吹き飛ばされたんだと思う」


 シーチャと互いに頷き合って街道に戻ろうとすると。


「なんで二人ともそんなに冷静なの!? 仲間がやられてるかもしれないんじゃないの!」


 エチカが慌てふためきながら叫ぶ。

 俺は振り返らずに答えた。


「そう見えたなら、ごめんね」

「スラッド……?」


 エチカのすごく不思議そうな声を背中で聞いた。


「エチカ。ボクたちが冷静に見えるのは、自分たちの役割をわかってるからさ」

「役割……?」

「君も冒険者を続けてれば、いずれわかる」


 シーチャもエチカとの会話を切り上げて、俺とともに街道の方へ歩みを進める。

 かわいそうだけどエチカの相手をしている時間はない。

 すぐにでも手がかりを見つけないと。


「俺が間違ってたのかな」


 シーチャの言う通り、俺が楽観的過ぎたのかもしれない。

 俺が抜けてしまったせいで、勇者パーティが……。


「別に君のせいってわけじゃないし。こればっかりはアレスの判断ミスだ。それに、まだレメリのことはわからないさ」

「……そうだね。とにかく今優先すべきはみんなの安否確認だ」

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【悲報】生殺与奪の権を竜に握られた人類、竜国の使者を「田舎者」呼ばわりしてしまう ~俺は学院生活を楽しみたいだけだから気にしないけど、俺を溺愛する竜王族の姉は黙ってないかもしれません〜
― 新着の感想 ―
[気になる点] >「なんで二人ともそんなに冷静なの!? 仲間がやられてるかもしれないんじゃないの!」 冷静な人に対して難癖つけてくる、 こういうキャラよく見かけるけど、 (無職転生の主人公の父親とか…
[一言] 不穏だけど作者様のあのキャッチコピーに期待してます。
[良い点] 文章が大変読みやすかったです。 話自体はよくある追放ざまぁでしたが、頭にスッと入ってくる文章のおかげで、全くストレス無く読み進める事が出来ました。 NTR展開ナシを公言している事も、読むに…
2020/12/30 01:46 退会済み
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