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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~  作者: epina
第二章 勇者追跡

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23.友達価格で利子はなしにしてあげる

「……壊滅?」


 ただならぬ雰囲気から発せられた物騒な言葉に眉根を寄せる。

 当のシーチャは何故か愉快そうに笑っているが……。


「うん、壊滅。君とボクが抜けた穴はかなり大きいよ~。それにボクと違って彼らは誰一人として君の正体に気が付いてなかった。アレスなんて今までの強さが自分の力だって錯覚してるんだよ。笑えるよね~」


 いや、ぜんぜん笑えないと思うけど……。


「ボクはアレスが人員補充しないで王都に戻るのに500ゴールド賭ける」

「うーん、さすがにアレスもそこまで馬鹿じゃないよ。ひとまずシーチャが抜けた分の穴をこの街のギルドで埋めて、それから大都市に移動してから改めてメンバーを交代するんじゃないかな」


 シーチャが抜けているなら、今の勇者パーティは三人だ。

 前衛は勇者のアレスしかいないし、いくらなんでも無謀過ぎる。


「君はアレスを買い被りすぎてるんだってば。Aランク冒険者がいないこの街で、あいつが人員補充すると思う~? しかも男をさ」

「そんなことないよ。俺の代わりの人員だって――」

「そんなのいないよ~。アレスの口から出まかせだ」

「えっ、あれって嘘だったの?」

「本当に気づいてなかったんだ……」


 心底呆れた顔をするシーチャ。


「君も相当にあぶなっかしいよね~。なんかお金が必要だって泣きつかれたら、あっさり騙されて借金押し付けられそう」

「確かにいろんな人の借金を肩代わりしたけど、騙されてはいないよ。ちゃんと借用書も読んで納得した上で保証人になったんだし」

「君がいつも貧乏な理由がよくわかるエピソードだね~」


 うーん、そうかなあ。

 別に自分に必要な分のお金まではあげていないんだし、寄付の一環だと思うんだけど。

 シーチャとお金の話をすると、いつもこうだ。

 

「で、賭けはボクの勝ちだよ。アレスたちは昨日、誰も仲間に加えないままこの街を出た」


 ゲッ、マジなのか。

 アレス……それは駄目だよ……。


「でも、それで賭けに勝ちってずるくない? 答え知ってたんだし」

「結果が出る前でもボクはこっちに賭けてた。で、君は事前に情報を聞いても仲間たちを信じて逆張りしたんじゃない~?」


 むうむう。

 グウの音も出ない。


「500ゴールドかあ」


 ゴブリンハグ討伐のおかげで少し余裕があったけど、準備でほとんどなくなってしまったし。

 これ以上は払うと路銀が……。


「ツケで……」

「いいよ~。友達価格で利子はなしにしてあげる」


 シーチャがお腹をおさえてケラケラと笑った。


「あはは、律儀だよね~。そもそも君は賭けに乗るなんて一言も言ってないのに。やっぱり放っておけないなぁ。これからもボクがしっかりパーティのお金を管理してあげるよ。だから頭を低くして感謝してね~」


 勇者パーティにいた頃は、シーチャとはそこまで親しくしてなかった。

 たまーにこうやって雑談したりはあったけど、基本的には距離を置かれていた気がする。

 だけど、パーティのことに一番目を配ってバランスを取っていたのはシーチャだったと思う。


「俺はシーチャがいい奴だって知ってるよ。ありがとう」


 俺に礼を言われたのが意外だったのか、シーチャが答えるまでにほんの少しの間があった。


「……そうそう、ボクは本当はいい奴だよ。あーあー、本当に損だよね。いい奴なだけじゃ、お金にならないのにさ~」


 盗賊職の例にもれず、シーチャはお金にがめつい。

 だけど、稼いだお金を病気の人のポケットに入れたりしてるのを、俺は知っている。


 だから彼女は『義賊』なのだ。

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