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猛のことが大好きだよ

「暗くなってきちゃったねー」

「ほんとだな。そろそろ、帰るか?」


男の子のほうが尋ねると、女の子の方がフルフルと首を振った。


「まだ、べに、ここにいるもん!たけると一緒にいるんだーっ」

そう言って、べにと名乗る女の子は、たけると呼ばれた男の子の肩に首をコテン!と乗せた。

「ちょっ、紅」

「家に帰っても、いつもの毎日の繰り返し。つまんないんだもん。猛といた方が、ずっと楽しいよ!」

紅はふわっとした、かわいらしい笑顔を見せた。


「・・・」

「ねえ、猛って、好きな女の子とか、いる?」

「はっ!?い、い、いませんっっっ!!!」

猛は顔を真っ赤にして、叫んだ。今二人がいる公園中に、声が響き渡る。

「そ、そういう紅はどうなんだよ」

「え、紅?」



紅はしばらく考えた。

「紅は・・・猛のことが好きだよ?」

「えっ!!」

「だって猛、すごくいい人だもん。大好きな友達だよ!」

「あ・・・あぁ、そういうことね、びっくりしたよ」


猛は赤くなった顔を隠した。


「猛、大好きで大切な人だから、紅の秘密教えてあげよっか!」

「は?秘密?」


うん!と、ふわふわ笑顔で、紅はいつもつけていた赤いハートのペンダントを握りしめた。


ボン!!

「わっ!?」


ハートが大きくなって、紅はそれを、ブーメランみたいに構えた。

「うーん・・・あ!あの葉っぱがいいや!」

木からひらひらと落ちてきた葉っぱを見つけると、紅はポン!と服装を変えた。

「ちょ、ちょちょ、紅?」

「いっくよぉ~~~」

紅がブーメランとして投げたハートは、葉っぱにあたって・・・葉っぱはぼうっと音を立てて燃え尽きてしまった。ハートは、紅の手元に戻った。



「・・・え?」

「紅ね、炎を使うのが得意な、魔女なんだよ。だれにも、内緒だよ?」


ふわふわスマイルで、紅はありえないことを言った。



「・・・はぁぁぁぁぁっっっっ!!!???」

「今の見たでしょ?魔法だよ、魔法!紅すごいでしょ!?すごいでしょ!?」

「すごいの域を超えてるよ!紅!」


猛は叫んだ。紅はニコニコ笑う。

紅の性格からして、こんなうそをつくとは思えないし、大体、紅は素直すぎる。嘘なんてついてたら1秒でわかる。

それに今の魔法とやらを、猛はこの目で見てしまったし・・・。



猛は紅をまじまじと見つめた。





これが、7年前の猛と紅――――――――猛が紅の秘密を知った瞬間の出来事。

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