不吉と悪役
ヤバイどうしよう。
とり会えず、ステータスを見よう。
【鑑定】でできたはずだ。
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名前：
種族：人間
性別：男
年齢：0
筋力： 1
耐久力： 5
体力： 5
生命力： 5
魔力： 40
敏捷： 1
スキル
【深淵適性】【アイテムボックス】【鑑定】【学習】【頑強】
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目茶苦茶魔法系に片寄ってる。
5がついてるのは、【頑強】のおかげか？
比較対照がいないから、これがどれくらい凄いのか分から無いが、少なくとも魔力が低いことは無いだろう。
さて次は、壁際に立っているメイドさんを鑑定してみよう。
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名前：エイン
種族：人間
性別：女
年齢：21
筋力： 5
耐久力： 5
体力： 6
生命力： 5
魔力： 6
敏捷： 6
スキル
【掃除LV.5】【洗濯LV.5】【料理LV.5】【生活魔法LV.5】【奉仕LV.5】
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これは、低いのか？高いのか？
まあ、赤ん坊なのに成人女性と同じくらい丈夫だから、【頑強】は仕事してるんだろう。
ああ、眠くなってきた。
我慢できない～おやすみなさい。
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～ラインハルト～
今朝、陣痛が始まり、昼頃に産まれた。
さて、魂眼で見てみるか。
おお、見事にしわくちゃだ。まあ、さっき生まれたばかりだ。こんなもんだろう。
黒髪赤目か。確か、黒髪赤目はこの国の国教でも不吉の象徴とされ、さらに二百年前に黒髪赤目の人物が魔王を名のって人間の国をいくつかつぶし、この国もけっこうな被害を受けたんだったか。
にしても、何故黒髪赤目なんだ？父上も義母上も黒髪でも赤目でも無いのに。
ん？なんだこれは。なぜ、この子は深淵への高い親和性を持っている？
どうやらこの高い深淵への親和性があるために、この黒髪赤目になったようだが……
うん？これはもしや、
ハハハ、これは面白い。この子も転生者じゃないか。二人も転生者の子を持つなんて、父上は運が良いのか悪いのか。
だが、この子は苦労するだろうな。魔力が高く、体も丈夫だが、それも本来なら称えられただろうに。不吉の象徴たる見ためもあるが、何よりこの子には深淵魔法以外の魔法の才能を全く感じ無い。
深淵魔法は本来人間が扱えるモノではない。
つまり、この国に深淵魔法を扱える者がいない。
そもそも深淵魔法とは、深淵の世界に棲む高位の悪魔などの一部の精神生命体が使う、最強クラスの魔法だ。まず、深淵魔法を教えられる者と会う機会があるかどうか。
今探ってわかったが、この世界には深淵魔法を扱える者が4人いる。内一人は別の大陸にいるが、なんと残る三人はこの大陸どころかこの国にいる。
内二人は普通の人間が入れば生きて出られないような魔境にいるが。
だが、最後の一人はとても近くにいる。
そう、俺だ。
俺なら深淵魔法を教えられる。
しかし、俺はこの子に一から十まで懇切丁寧に教えるつもりは毛頭ない。
ならどうするか。
そうだな。悪役でもしながら鍛えるか。
