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転生

 俺は元々俺の魂がたどるはずだった運命をたどり、その胎児に宿った。

 そして、そこからその肉体を最適化し、同調していく。


 どうやら、この体は人間の男の子らしい。

 この星は大陸が九つあり、ここはそのなかでは三番目に大きい大陸の七番目くらいに大きい国の伯爵の正妻の第二子として生まれたらしい。

 名前はまだ決まっていない。

 まあ、妊娠一ヶ月じゃあなあ。


 さて、それじゃあ生まれるまで待ちますか。

 たった9ヵ月くらいすぐだろ。




 その九ヶ月後、俺はこの世界で産声をあげた。

 楽しみはとっておこうとまだ見てなかった両親の顔は、どちらも俺の誕生を心から喜んでいた。

 母親は金髪碧眼の絶世の美女。

 父親は赤髪翠眼の母親ほどではないが美丈夫だ。

 どちらも美形で良かった。

 ちなみに、母親の胎内にいるときに、髪と眼の色は見ていた。そこで俺は髪と眼の色は母親に似せることにした。

 そして俺は今、顔も母親に似せようと思った。


 それから俺は、両親の愛を受け、使用人や父親、いや、父上の側室である義母上からも愛され、さらに二つ年上の兄上や、俺の半年後に生まれた義母上の娘、つまり俺の腹違いの妹などとの、兄弟仲もいまのところ良好。

 まだ二歳だから何とも言えんが。

 さて、なんと、義母上がまた妊娠したらしい。

 男の子だろうか?女の子だろうか?

 知ることはできるが、楽しみはとっておきたい。

 義母上の体調だけには気をつけておこう。



 俺の名はラインハルト。

 アイルムンド王国ブラッドベリー伯爵家が第二子。

 ラインハルト=ヴァン=ブラッドベリー。





 ++++++++++++


 ここはどこにだろう。

 何も見えない。

 だけど、音は聞こえる。

 これは、液体が流れる音は?

 それと、鼓動?

 ああ、ここは子宮のなかか。

 この体の回りにあるのは、羊水かな?

 俺は、いつ産まれるのだろう?

 早く産まれたいような、もう少しここにいたいような。


 ん?これは、誰かの会話か。

 言葉が違うな。話の意味がわからない。

 まあ、【学習】のスキルを取ったんだ。

 そのうちわかるようになるだろ。



 長い時間が経った。

 大分言葉がわかるようになってきた。

 今、妊娠何ヵ月だろう。後、どのくらいだ?

 そんなことを考えていると、俺の回りにある羊水がどこかに流れていき、俺の頭が押し潰されそうになる。

 出産だろう。

 それにしても、痛い。

 早く終わってくれ。


 永遠にも感じられる時間が過ぎ、俺は初めて外に出た。そして、産声をあげた。


 ・

 ・

 ・


 どうやら知らず知らずの内に眠ってしまっていたらしい。

 外から誰かの声が聞こえる。


「赤子の髪は黒髪か。それで、本当にエリシェは不貞を働いていないんだな?」


「はい。それは間違いございません。奥様のお側には、常に必ず誰かがおりました。不貞など、できようはずもありません。」


「なら、何故私の血筋にも、エリシェの血筋にも存在しない黒髪を持つあの赤子はなんだ!!」


「それは何とも、私にはわかりかねます。ただ言えることは、間違いなくあの赤子は旦那様と奥様、お二人のお子様であるということだけでございます。」


「なぜ、なぜよりにもよって不吉な黒髪なのだ。まあ、今はいい。それより、エリシェの容態は?

 」


「出産の疲れか、眠っており、少し体調が優れないご様子であるものの、しばらく安静にしておけば大丈夫であるそうです。」


「そうか。なら、私は仕事に戻る。何か有れば、すぐに知らせるように。」


「畏まりました。」



 なんか、ヤバくね?




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