大野凪【チュートリアル】④
さて、魂と精神の解明を初めてから那由多の年月が過ぎた。しかも、今回はほとんど【探求】のゾーンに入って精神統一やら瞑想やらしていたのにこんなに時間がかかった。
まあ、なんとか魂と精神。そして、気を解明し、自由に操作することができるようになった。
まず、魂とは記録装置という言い方が一番近いだろう。
そして、精神とは演算装置だ。
魂には核があり、これが個人を個人たらしめえいる。
魂は霊的エネルギーの塊だ。とてつもない力を秘めている。
そして、そんな魂を守り、精神と繋げているのが俺が星幽と名付けた物だ。
そして、魂と星幽と精神が肉体に宿っている。
気は生命力の欠片とでも言うべきエネルギーだ。
これは一度コツを掴めば操るのは、そこまで難しく無い。それでも自在に操るには、軽く万年は必要になったが、魂なんかよりはよほど楽だ。
さて、ここからが本番と言える。
これまでの研究で、この四つの役割、そして秘められた力はだいたいわかった。
なら、次はひたすら鍛える。そして、技の模索だ。
さあ、始めようか。
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また那由多、いや不可思議か?
とにかく凄い年月が経った。
魂の力は凄いだろうと思ってはいたが、ここまで万能だとは思わなかった。
なんせ、望めばほとんどなんでもできてしまうような力だ。
そして、魂に演算能力を持たせることに成功した。つまり、俺は魂だけになっても思考することができる、ということだ。
そして、星幽は初めは余り期待していなかった。
何せ最初の印象が貧弱だったからな。
しかし、ある意味魂より凄いかもしれない。
星幽の真髄は、解析と伝達だ。その二つの力は魂をも陵駕するだろう。
もちろんコレにも記憶と演算能力を持たせることに成功している。
精神は演算と変質だな。さらに肉体の次に存在が安定している。
コレにも記憶能力を持たせることができた。
さて、気は肉体の強化だな。治癒力を強化すれば骨折でさえも数秒で治す事ができた。
そして、この四つを鍛える過程で、脳の可能性が開けた。俺は脳の力を全て引き出し完璧に扱えていると思っていた。しかし、それは誤りだった。確かに、脳の肉体への電気信号での指令はほぼ完全に操れていた。しかし、それは脳の全てを使えていると同義ではなかった。
そこで俺はまたひたすら脳の力を引き出すことを目指した。すると、何億年もかかってやっと脳を完全に使えるようになった。
するとなんと、念力が使えるようになった。
気は、肉体の強化や、体の近くなら具現化し、物理現象をおこすこともできた。しかし、体から離れると霧散してしまう。
しかし、念力はおそらくそういう限界が無い。
さらに物理現象だけでなく、魔法や超能力のようなことまで可能になった。
だが、気が念力に劣るかと言われると、そうではない。気はあらゆる力を使う基本にして原点と言える。さらに“自己強化”という分野においては念力よりうえだ。何せ念力に気を流し混ぜ合わせると、念力がより強力になったのだから。
この研究はとても素晴らしかった。
さて、次だ。
まず、魂と星幽、精神を1つに融合する。
これで約10^74年経過
さらに脳と肉体から限界まで絞り尽くした念と気を吸収する。
さらにほぼ同じ年月が経過した。
次にするのは俺にくっついている。【不屈】と【探求】の解析そして、吸収し、“俺”の全てを融合させた、そうだな、神体とでも呼ぼうか。
神体に記録する。これで借り物ではなく完全に俺のモノになった。
次はこの【チュートリアル】の空間だ。
これも同様に解析、吸収、記録。
よし、完璧だ。
次はあらゆる世界を解析しよう。
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凄いな。どうやら俺のいた地球は無限にある世界の、無限に広がる宇宙の無限にある星の一つだったらしい。そして、無限にある世界は、“混沌”と呼ばれる最上位世界とでも言うべき世界に存在している。
そして、その混沌は“虚無”と呼ばれる謎領域から生じたモノらしい。
さらにそのとき、“深淵”という、全てを飲み込む空間が生じ、そのなかでは魑魅魍魎が蔓延っている。
え?何故そんなことを俺が知ってるかって?
混沌の記憶を読んだんだよ。多分、アカシックレコードとか言うやつだろう。
これだけの情報を得るのに27京年もかかっちまった。
さらに他にも必要な情報を得るのに軽くこの100極倍はかかったぞ。
まあ、マイアカシックレコードも手に入れたし、混沌、虚無、深淵も切れ端とはいえ吸収できたし十分か。
アカシックレコードから得た知識、混沌、虚無、深淵を全て定着させ、完全にモノにするのにさらに10の40桁乗くらいの年月を要した。
もう、十分かな?
さて、それではそろそろ転生するとしようか。