表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/22

大野凪【チュートリアル】③

 さて、まずこのよくわからないモノはどうしていきなり出てきたのか?そして、どうして俺はこれを感じられるようになったなか?最後にこの、これを感じとっているモノは何なのか?


 これを知らなければならないだろう。


 まあ、ある程度予想はついている。

 俺はここに来てから、ずっと考え続けていた。

 肉体を鍛える為にその自分の肉体を破壊し続けていた時も、体の仕組みを調べる為に自分の脳や眼球、臓物を抉り出した時も、ひたすら正拳突きをしていた時も、思考が行き詰まっても、【探求】のゾーンに入ってひたすら考えていた。

 そんな俺が、初めて無心になった。

 最初はたしかにより効率的に破壊できるよう考えていた、しかし、最高効率を見つけてから俺は、ひたすら壊し続けた。楽しかった。俺の、見た目だけは華奢と言ってもいいような、人間の小さな拳で、猛獣や伝説上の生物達が次々と破壊されていく様には、感動を覚えた。

 きっと、これが無我の境地と呼ばれるモノだろう。

 時にはこういうモノこそ必要になる。いい勉強になった。


 さて、おそらくこれが最初の二つの答えだろう。


 次は、この“深い”何かだな。

 これも見当はついてる。おそらく、魂や精神と呼ばれるモノ。

 ここまではいい。

 なら、魂とは何か?

 精神とは何か?

 この二つはそもそも同じモノなのか違うモノなのか?



 疑問は尽きない。

 なら、その疑問を解消しなければならない。

 では、どうするのか?

 また、何万年も無心になるまで破壊し続ける?

 たしかにそれが一番確かな方法だ。

 しかし、おそらくもっと手っ取り早い方法がある。

【探求】のゾーンだ。

 気になってはいた。

 何故、幾星霜の時を記憶しても、脳に負担を感じないのか?

 何故、無限の速さで思考し、とてつもない集中力を発揮しても、脳が無事なのか?

 俺は、【探求】には、そういう記憶領域と演算領域を拡張、もしくは別に設ける権能があるのでは?と思っていた。

 しかし今回ので、別の可能性が出てきた。

 記憶していたのは、魂ではないのか?

 思考していたのは、精神ではないのか?

 そういう可能性だ。


 そして、正しいのは、おそらくこっちだろう。

 なら、【探求】のゾーンに入れば、より深く“コレ”を感じられるはずだ。

 なら、試す。

 間違っていてもいい。そのときは、他の方法を模索する。

 これまでもそうやって来たのだ。

 それはこれからも変わらない。


 時間は無限に有るのだから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ