表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/22

大野凪【チュートリアル】②

やっと春休み

 とは言っても、魔力がどんなものなのかか全く分からない。と言うか、俺の体にそもそもそんなもの存在するのか?

 少なくとも俺は地球に魔力、もしくはそれに似たモノが有るとは聞いたことも…いや、まあまああったわ。どれも確証があるものでは無かったが…

 とりあえず試してみるか、たしか、中国拳法に、『氣』とか呼ばれていたものがあったはず。もしそれが本当なら、きっと俺にもできるはず。

 ・

 ・

 ・

 とりあえず、一万年程座禅を組み、瞑想?してみた。やり方が正しいのかは知らん。全く無知の零からの探求だ。幸い時間だけはたっぷりとある。

 やれることは全て試すつもりだ。

 まあ、とにかく、一万年瞑想してみた。収穫はこれじゃ駄目だということ。もしかしたら年月が足りないのかも知れないが、一万年ダメなら次に行く方がいいだろう。

 次は、【探求】の超集中状態を試してみよう。

 ・

 ・

 ・

 それから試した結果、『氣』らしきものは見つからなかった。それで俺は、思った。じっとしてちゃダメなんじゃないか?と。

 元々『氣』とは中国拳法が元の概念だ。つまり、拳法を極める上で見つかったモノなのではないか?そう思った訳だ。

 そこで、まずは体の効率的な動かし方を探求しようと思う。

 最初は…正拳突きでもやるか。

 ・

 ・

 ・

 正拳突き。これもかなり興味深いものだ。ただ拳を前に突き出すだけでは駄目だ。全身を使わなければ、まともな威力は出せない。

 脚で体を支え、地を蹴り腰をひねり、あらゆる力を束ね、余さず拳に乗せる。

 そして臍の下。たしか丹田だったか?そこを安定させることが特に重要だ。

 全てが完璧にこなせればこのとおり。



 ──ズガン──



 岩すら砕ける。

 え?岩なんてどこにあったって?

 出したんだよ。どうやてって、それがな、このチュートリアル空間。望めばなんでも出してくれんの。それこそ岩なんて望んだ大きさで、望んだ色で、望んだ形で、望んだ固さで。自由自在だ。


 まあ、そんなわけで、探求活動が捗る捗る。


 さて、次は蹴りか?

 ・

 ・

 ・

 それから俺はあらゆる動きを試した。

 走ったり跳んだり殴ったり蹴ったり。

 あらゆる動きを最適化できたと思う。

 その過程で、動かない的では物足りなくなってきた。そのため、あらゆる生物。人も含めて出した。それを壊す。襲ってくる物。逃げる物。全て壊す。

 驚いたことに、なんとドラゴンも出す事ができた。他にもペガサスやユニコーン。最高の肉体を持つ俺自身。ただ、その全てが意思を持たず、ただ動くだけの人形のようなものだったが。


 そんなモノを壊して数万年。ある時。俺は自分の拳に不思議なモノを感じた。

 それはよく分からないモノだった。何せ、脳すら自在に操作できる俺すらハッキリと知覚できないモノだった。ただ、間違いなくそれはそこにある。そしてそれは俺自身だと、何故か確信できた。本能さえも脳を操作すれば自在に操作できる俺が、何故かそう思った。それは本来ありえないことだ。そのとき、その確信の“元”を調べることにした。どうやらそれは俺のとても“深い”ところにあるものらしい。そのときそれは肉体から発せられるモノでは無いと悟った。

 きっとこれは精神や魂と呼ばれるモノではないか?そう俺は思った。

 それから俺はその“深い”何かと拳に宿る何かを調べることに夢中になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ