衝撃:タクト
俺は四才になった。
そうそう。三才の誕生日を一月ぐらい過ぎた頃。
朝の10時ぐらいにメイドさんが来て、俺を本邸の近くに連れて行った。そこでなんか水晶みたいなのを触らせられたんだけど、鑑定してみたら、属性魔法の適性を測るための物だった。
そして結果は、適性無し。
その時俺は少し困惑した。
俺には深淵魔法の適性があるはずだ。適性無しはおかしい。そこで俺は水晶を詳しく見てみると、どうやらこの水晶では深淵魔法の適性は測れない事がわかった。
おそらく、深淵魔法は一般的には普及していなのだろう。最悪、誰も使える者がいない可能性も有るが、そうなったらほぼ詰みだ。それはないことを祈ろう。
さて、普通の魔法の才能が無かったことは残念だが、どうしようもないことを気にしても仕方がない。よし、今日も草を抜こう。
この幼い体でも、地道にやればそこそこのことはやれる。抜いても生えてくるものの、二畳くらいは草が生えていない場所が作れている。
道具なんて一つも無いのて全て手作業だが、力は無いものの、頑丈さが売のこの体。進行は遅いがなんとかなっている。
そうやって今日も作業していると、突然後ろから声をかけられた。
「おい。」
驚いた。最近は誰も必要以上にここには近づかないので、誰かが声をかけてくるなんて思いもしなかった。
恐る恐る振り向くと、そこには、金髪碧眼の美少女?美少年?がいた。年は俺より上だろう。
かなり上質な服を着ている。
話を聞いてみると、どうやら目の前のこの美少年は俺の兄らしい。男だったか…。顔もどちらかと言うと女の子っぽいし、声も高いので女の子だと思っていたが、違ったようだ。
そして、その兄は俺の遊び相手になるために来たらしい。全然そうは見えない。
偉そうだし、自分で自分を天才とかいってるし、何よりこちらを完全に見下している。
何か裏がありそうだ。
それに俺はこんな奴の遊びに付き合うより自分を鍛えたい。
何よりめんどくさそう。
ここは丁重に断ろう。そう思って出来るだけ丁寧に断りの言葉を述べたのだが、聞き入れてもらえなかった。
そして結局無理矢理遊びに付き合うことになってしまった。
まあ、考えようによっては情報を得るチャンスだろう。上手くおだてれば色々教えてくれるかもしれない。もしかすると魔法なんかも見せてくれるかも。どうせ子どもの考える遊びだ。そっちは適当に合わせればいいだろう。
大したことない、面倒だが情報収集のチャンスでもある。
そんな俺の思いは、大きく裏切られることになる。
俺の兄、たしかラインハルトとか言ってたな。
兄は「草が邪魔だ」と言った。
まあ、それは仕方ない。俺の手だけでは二畳くらいの草を除去するので精一杯だった。
そして俺は、どこか別の広いところに移動するのかと思ったが、兄が「パチン」と指を鳴らすと、回りの草が土ごと吹っ飛んだ。もちろん俺も吹き飛ばされ、泥だらけだ。
立ちあがりながら状況確認をする。
だいたい半径10メートルくらいは草が無くなった。俺の住んでる家にも飛ばされた土が大量にかかっている。壊れなくて良かった。
だが、今はそれよりもこいつだ。今のは何だ?こいつがやったのか?
そこで俺は初めて目の前のこいつに向かって【鑑定】を使った。
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ラインハルト=ヴァン=ブラッドベリー
性別:男
種族:人間
年齢:6
筋力:564
耐久力:562
体力:565
生命力:564
魔力:2169
敏捷:571
スキル
【速読LV.11】【記憶LV.11】【動体視力LV.12】【礼儀作法LV.11】【ダンスLV.11】【演算LV.15】【体術LV.15】【剣術LV.15】【気配感知LV.14】【気配操作LV.14】【魔力感知LV.15】【魔力操作LV.15】【魔力身体強化LV.15】【炎魔法LV.15】【水魔法LV.15】【地魔法LV.15】【風魔法LV.15】【雷魔法LV.15】【氷魔法LV.15】【光魔法LV.15】【闇魔法LV.15】【時空魔法LV.15】【神聖魔法LV.15】【回復魔法LV.15】【無属性魔法LV.15】【生活魔法LV.15】【魔技LV.16】【闘気LV.15】【気術LV.16】【覇気LV.15】【詠唱破棄】【呼吸法LV.16】【超感覚LV.16】【心眼LV.16】
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「嘘ごぼっ」
嘘だろ。そう言おうとしたが、出来なかった。
どうやらいつのまにか接近していた兄に殴られたらしい。
それにしてもこいつ、やばすぎないか?
俺なんぞ比べ物にならない高いステータス。全て俺の十倍以上だ。化け物かよ。
そして、膨大なスキルと高いレベル。
ちなみに俺の今朝のステータスがこれだ。
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タクト=カブラギ
種族:人間
性別:男
年齢:4
筋力:3
耐久力:9
体力:9
生命力:9
魔力:102
敏捷:2
スキル
【深淵適性】【アイテムボックス】【鑑定】【学習】【頑強】【魔力感知LV.7】【魔力操作LV.7】
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はっきり言ってショボい。
それに少し伸び悩んで来てる。魔力は相変わらず成長を続けてくれているが、魔力に関する技能の二つはLV.6からなかなか上がらない。
やはり自己流では限界があるのだろうか。
それにしても、なぜ俺は兄にいきなり殴られたのだろうか?訳が分からない。
「立て。」
そんなことを考えていたら、いつまでも起き上がらない俺に業を煮やしたのか、立つように言ってくる。
まだ殴られた腹が少し痛むが、蹴られでもしたらたまらない。仕方なく立つ。
「お前。俺に何をした?」
!まさか、気づいたのか?【鑑定】は乳母の人や使用人に何度も使っているが、一度も気づかれなかった。おそらく【超感覚】とかいうスキルだろう。さて、どう答えよう。
「おい。何をしたと聞いている。」
「ええと、兄上の魔力がどれ程なのか気になりまして、それで僕は相手の魔力を測る事が出来るのですが、それをやりました。兄上がこれを不快に感じるとは知らず、申し訳ありません。」
そう言って、俺は頭を下げた。
嘘ではない。ただ、魔力以外も測れることを言っていないだけだ。
「嘘ではないようだな。なるほど解析か、同系統の技能?いや、師もいずに修得できるはずがない。とすると、異能か。ゴミの分際で…。今回はそれくらいで許してやろう感謝しろ。それからそれはおれの許可なく使うな。非常に不愉快だ。」
やはり、兄は嘘が分かるようだ。
【心眼】の詳細はまだ見ていないが、恐らくこれか【超感覚】だろう。
これから先が思いやられる。
だが、恐らく【鑑定】に似たスキルがあることはわかっただけでも収穫だな。




