第3話 転生
気が付けば神奈は見知らぬ場所に居た、一面白く終わりが見えない程広い清潔な場所で神奈の目の前にはデカデカと『神』と書かれた空き缶と此方に向かって口を開けている優理が居た。
「優理?東京にいる筈じゃぁ…」
「其は此方の台詞だよ!何で神奈も死んでるのさ!」
優理の言葉に神奈は呆然とした、確か……この見知らぬ場所に来る前に階段で転んだが……冗談と言うのは考えられない、優理はこう言う状況では状況は言わない。
つまり……神奈は死んだと言う事になる、店の皆には非常に申し訳ない事をしてしまった。
「笹桐神奈さんですね?日野優理さんが言った通り貴女は死んでしまいました」
そう目の前にある空き缶がそう答えた、唖然とする神奈を尻目に更に言う。
「同様しているのは分かります、えぇ…ですが私は神なのです」
「……優理」
「言いたいのは分かってるけど、本当だよこの空き缶は神様だよ」
「確かに優理がこんな時に冗談は言わないのは知ってるけど、異星人の残党とかは?」
「異星人がこんなふざけた格好しないでしょ、それに異星人ならすぐに殺しに来てるよ」
「確かに其れもそうか」
「ちょっとちょっと!ふざけた格好って何ですか!?まぁ…良いです、二人は先程言った通り死にました…ですが英雄と呼ばれたお二人には異世界に行って世界を救って欲しいです…詳しい話と良くある転生特典についての説明は世界に付いたら教えます」
そう言い、空き缶は二人が何かを言う前に二人を異世界に送った、詳しく説明をしたいし同意も取りたかったが『とある案件』のせいで其が出来なかった。
空き缶が二人を異世界に送った後直ぐに、空き缶の前に黄金に輝くクリスタルが現れた。
このクリスタルは空き缶と同じく、『原初の七世界』の一つを世界を造った創造神の一人である。
「奴等の動きはどうだ?」
クリスタルが厳格な声でそう言った、其に答え空き缶はホログラムに似た立体図を出現させる。
「駄目ですね、彼等は強いです既に我等の世界の二つは滅ぼされてます」
そう空き缶は言い、制圧された世界の映像を見せる。
その世界は戦争で朽ち果て、生物が住めないほどにボロボロに破壊され既に生物が滅んでいた。
その映像を見ながらクリスタルは唸った。
「まさか、彼等が神に歯向かうとは……其れより転生者達は?」
「後一組です」
「そうか、仕事を邪魔して悪かった」
クリスタルはそう言い空き缶に謝罪する、今この現状は非常に厳しい…何しろ原初の七世界の内の一つが彼等神に対し戦争を仕掛けたのだ。
この戦争で既に下級神が持つ世界が二つ破壊されている、そして神々の軍勢も苦戦していると言う。
「いえ、其にしても人間が神に対し歯向かうとは…」
「人間も成長していると言う事だな…さて私も仕事に戻ろう、君が送った世界に傭兵を送らなければね」
そう言いクリスタルが空き缶の前から消えた。
それを見計らって二人の男女が送られて来た、一人は片腕が無く眼帯を付けた長身の男と男より背が低い美人だ。
「さて…神無さん、玲奈さん起きて下さい…神無さん、玲奈さん起きてください」




